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周辺機器やアクセサリーありきで購入するPCを決定? メーカー出身ライターの30年に渡るPC遍歴を振り返る私のPC遍歴30年(2/3 ページ)

PC USERの創刊30周年企画で、普段執筆いただいている皆さんに30年のPC関連話をいただくコーナー。今回は複数の連載を抱えている山口さんの番です!

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トラックポイント沼にハマる

 ところでこの頃もう1つ、筆者にとってエポックメイキング的な出来事となったのが、人生初となるノートPCを購入したことだ。取引先で在庫処分になっていたものを、さらにもう一声、と粘って安く譲ってもらったものだ。タイミング的には、Windows 95が出た直後だったと記憶している。

 その1台は東芝の「Dynabook SS475」という、その時点で既にロートルといって差し支えないモデルだ。OSはWindows 3.1、CPUにPentiumすらも搭載していない代物(IntelDX4 75MHz)で、それゆえWindows 95ブームの最中も店頭に出せずに処分対象になっていたのだが、メモリを追加すればWindows 95も動かせると、そそのかされて購入に至った。

 例によって、メモリは(もちろん合法的に)格安で調達したのは言うまでもない。

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「Dynabook SS475」。Windows 3.1時代のノートPCだが、メモリを増設してWindows 95を入れ、主にホームページの更新用途で活躍した。右の写真では手前のPCカードスロットにDDIポケット(当時)のPHSカード「TL-DC100」を接続している

 なぜ、このモデルが筆者にとってエポックメイキング的だったかというと、1つはインターネットに接続するきっかけになったことだ。前述のCentris 660AVはパソコン通信(NIFTY-Serve)止まりだったのが、Windows 95をインストールしたこのSS475のデスクトップ画面に配置されていた、MSNのアイコンをうっかりダブルクリックしてしまい、インターネットの世界に足を踏み入れたわけである。今思えば実に罪深い。

 そしてもう1つが、このSS475がポインティング・スティック搭載モデルだったことだ。キーボード中央にマウスポインターを動かす「ポッチ」を備えたノートPCは、ノートPCの薄型化およびタッチパッドの普及で現在は絶滅危惧種だが、初めて購入したノートPCの「ポッチ」の操作性にすっかり慣れてしまったことで、いまだにそれにこだわり続ける羽目になっている。

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東芝の名称は「アキュポイント」だが、一般にはLenovoの商標である「トラックポイント」が有名だ。90年代後半〜00年代前半はIBMだけでなくさまざまなメーカーのノートPCに採用されていた

 事実、このSS475から約四半世紀が経過した現在に至るまで、筆者が購入したノートPCの多くはトラックポイント搭載モデルである。前述のSS475の次はB5スリムタイプの「DynaBook SS PORTEGE 3100」で、数年後に「ThinkPad X60s」を買うまでの間は、別のノートにトラックポイント付きキーボードを追加して使っていた。

 今は2〜3年ごとに「ThinkPad X1 Carbon」シリーズを買い替えており、ここまで来るともう洗脳に近い。“正気”に戻れる日が来るのかは分からない。

 ちなみに、デスクトップPC(自作)も一応併用していたが、動作音や発熱に嫌気がさしたこと、出張や遠征が多くなったことで、完全にノートPCに切り替えて現在に至っている。

 東日本大震災でUPS(無停電電源装置)の導入を考えた時、ここまでするのなら全部ノートPCにした方が効率的では? とひらめいてデスクトップPCを処分したのだが、ライターとしては自作かいわいの知識不足を招いているのも事実で、このあたりはなかなか難しい。

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DynaBookがトラックポイントを廃止した後、2006年に購入したのが「ThinkPad X60s」。これ以降はほぼThinkPadオンリーで現在に至る(左)。トラックポイントのないノートPCには、トラックポイント搭載のIBMキーボードを組み合わせて使っていた(右)
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その間に購入したトラックポイント非搭載のノートは、薄型光学ドライブ搭載のNECの12.1型「Lavie M」(左)、クレードルに立てて記憶領域にアクセスできるシャープの10.4型「Mebius MURAMASA」(PC-MM1-H1W/右)。いずれもパームレストにシートを貼っているのは熱対策のためだ

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