「Windows 10」のサポート期限切れまでにPC買い換えやアップグレードが間に合わない? 暫定措置の「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」をチェック!:「Windows 10 EOS」を知る(その3)(2/2 ページ)
Windows 10のサポート終了(EOS)が近づいているが、それまでにPCのリプレースやOSのアップグレードが間に合わない――そんな時は、暫定措置として「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」を利用可能だ。今回は、ESUのあらましと、使い方を紹介する。
個人向けESUは条件付きで無料 どうすれば使える?
Windows 10で個人向けESUを利用すると、サポート終了日から1年間、つまり2026年10月13日までセキュリティ更新を受けることができる。現時点ではさらなる期間延長は予定されていない。あくまで時限的な対応なので、この期間内のできるだけ早い時期にWindows 11に乗り換えるようにしたい。
個人向けESUの契約は、Microsoft アカウントにひも付ける形で管理される。そのため、Windows 10にMicrosoft アカウントでサインイン(ログイン)していることが前提となる。ローカルアカウントでサインインしている場合は、Microsoft アカウントでのサインインに切り替えよう。
先述の通りESUは有償提供で、個人向けの場合は1台あたり30ドルとなっている。ただし、以下のいずれかの条件を満たしていると無料だ。
- 「Microsoft Rewards」1000ポイントで利用権を引き換える
- 「Windows バックアップ」でPCの設定をOneDriveに保存する設定が有効である
上記のうち、2つ目の条件が求めているのはあくまでも“PCの設定”のバックアップだけで、他のデータのバックアップまでは求めていない。恐らく、多くの人にとってはこの条件が一番満たしやすいと思われる。
Windowsの設定をOneDriveにバックアップする設定を行えば、ESUを無料で使う条件は満たせる。なお、Windows 10/11にMicrosoft アカウントでサインインする場合、Windows設定のバックアップは標準で「有効」なので実際には意識しなくても無料適用の条件は満たせる
個人向けESUは、Windows 10を2022 Update(バージョン22H2)にした上で、最新の更新プログラム(2025年7月のオプション更新以降)を適用すると利用できる。ここからは適用の手順を紹介していこう。
まず、スタートボタンを右クリックしてメニューを出す。「設定」→「更新とセキュリティ」とクリックしてWindows Updateの画面を表示しよう。ウィンドウの右側に「拡張セキュリティ更新プログラムに登録して、デバイスのセキュリティを維持しましょう」と表示されている場合は、その下にある「今すぐ登録」をクリックすれば適用プロセスを開始できる。
この表示が出ない場合は、必要な更新プログラムが適用されていない可能性が高い。先にWindows Updateを実行して、最新の更新プログラムを適用してほしい。
2025年7月のオプション更新以降の更新プログラムが適用されていると、Windows Updateの画面右側に登録用のリンクが表示されるようになる。「今すぐ登録」をクリックすると、ESUの適用プロセスが開始される
「拡張セキュリティ更新プログラムを有効にする」というウィンドウが表示されたら、そのまま「次へ」をクリックする。するとMicrosoft アカウントでサインインしてるかどうかのチェックが行われる。Microsoft アカウントでサインイン済みの場合は、利用できる適用オプションの確認が行われ、どのオプションを適用するか尋ねられる。
Windowsの設定をOneDriveにバックアップする設定が有効な場合は、適用オプションは提示されず無料で登録できる旨が表示されるので、「登録」をクリックして少し待とう。するとESUへの登録が完了した旨が表示される。「完了」をクリックすれば手続きは終了だ。
Microsoft アカウントでサインインしている場合、そのまま利用可能な適用オプションの確認が行われる。PCの設定をOneDriveにバックアップする設定が有効な場合は、その条件を使ってESUを無料で利用できる
手続きを完了すると、Windows Updateの画面に「お使いのPCは、拡張セキュリティ更新プログラムを取得するために登録されています」と表示される。この状態でも、Windows 11の動作要件を満たしている場合はアップグレード可能だ。
個人向けESUの登録には、Microsoft アカウントを別途用意する必要はある。しかし、非常に簡単に登録できることは非常にありがたい。
ESUはあくまでも“時限的措置”
繰り返すようで恐縮だが、ESUは何らかの理由で早期にWindows 11への移行が困難な環境への救済措置であって、Windows 10を“延命”するための措置ではない。できるだけ速やかにWindows 11への移行を勧めてほしい。
なお、法人ユーザーはESUの無償利用の対象外で、ボリュームライセンス契約を行うことでESUを適用可能だ。法人向けESUは最長で3年間(2028年10月13日まで)利用可能だが、1台あたりのライセンス料金は以下の通りとなる。
- 1年目(2026年10月13日まで):61ドル
- 2年目(2027年10月13日まで):122ドル
- 3年目(2028年10月13日まで):244ドル
このように、年を越すごとに費用が倍となり、最大で1台あたり467ドルの負担が発生する。やはり、早めにWindows 11への移行を行うのが賢明だ。
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