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「TerraMaster F4 SSD」を試す 手頃な価格で“フルSSD”を実現できるNASキット(1/2 ページ)

TerraMasterのNASキット「F4 SSD」は、その名の通り4基のM.2 SSDを搭載できる“フルSSD”のNASキットだ。その実力を試してみよう。

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 スマートフォンやアクションカムで気軽に4K/8Kの高解像度の写真や動画が撮影できるようになった。それだけに、スマホやPCのデータストレージに悩んでいる人は多いだろう。

 この悩みを解決する一番シンプルな方法は、外付けのHDD/SSDを使うことだが、高解像度の写真や動画はファイルサイズも大きい。HDDではデータの読み書きに時間がかかるため、あまり快適とはいえない。

 「ならSSDか?」と言われると、昔より安くなったとはいえ、まだまだHDDに比べると容量単価は高く、大容量データの保存先としてのハードルは高い。クラウドベースのストレージもあるが、増え続ける容量を考えるとコスト面が心配だ。

 例えば子供の成長記録のような動画は定期的に見返したくなるもので「PCを立ち上げないと見られない」「スマホに転送しないと見られない」というのは、せっかく撮った動画を生かすという観点でもったいない気もする。

 そんな人にオススメしたいのが「SSDを搭載できるNAS」だ。NASであればPCを立ち上げずとも、スマホアプリやTVで、撮りためた動画を見ることができる。SSD搭載であれば転送速度も速く、大容量ファイルのやりとりも快適に行える。

 さらに「SSDの容量単価」についても、別途SSDを用意して装着する「NASキット」であればコストを意外と抑えられる。今回はそんなSSD対応NASキットの1つとして、TerraMaster(テラマスター)の「F4 SSD」(実売価格6万8000円前後)を紹介する。

F4 SSD
TerraMasterのオールSSD構成NASキット「F4 SSD」は実売6万8000円前後だ

オールSSD構成でとてもコンパクト

 TerraMasterは、内蔵型のHDD/SSDを外付けできるケース(エンクロージャー)や、NASキットを多数販売している。NASキットであれば、HDDの搭載可能台数が1〜2台と少ない個人向けのモデルから、10台以上搭載できる法人向けモデルまで取りそろえている。HDD/SSDケースも多くを取りそろえている。

 今回紹介するF4 SSDは、オールSSD構成、言い換えるとHDDに対応していないNASキットだ。PCI Express接続のM.2 SSDを最大4枚まで搭載できる。

 搭載しているCPUは、NAS向けとしては高性能な「Intel Processor N95」(4コア4スレッド/最大3.4GHz)で、これに8GBのDDR5メモリを組み合わせている。有線LANポートも5Gbpsでの伝送に対応する5GBASE-Tを備えている。ネットワークからのアクセスがボトルネックになることはないだろう。

 オールSSD構成ということもあり、F4 SSDのボディーはNASとしては小ぶりだ。スマホと並べて置いてみると、そのコンパクトさがよく分かる。NASの導入では設置場所が悩みになることも多いが、このサイズなら既存のルーターやWi-Fiアクセスポイントの周囲にある空きスペースに余裕で設置できる。

コンパクトです
「Pixel 9a」(右)と並べてみると、ボディーのコンパクトさが分かりやすくなる

 本体の背面には、USB Type-A端子×2とUSB Type-C端子、有線LAN端子、HDMI出力端子を備えている。

 USB端子はいずれもUSB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2)規格で、USBフラッシュメモリを始めとする外部記録媒体からデータを取り込める他、USB接続のプリンタをネットワークで共有する際にも利用できる。有線LANポートは先述の通り5GBASE-Tに対応する。HDMI出力端子を介してTVやディスプレイとつなぐと、本製品に保存した写真/動画を再生可能だ。

ポート類
ポート類は背面に集中している

 F4 SSDは、本体内部のアクセスも容易だ。本体背面のネジを1本取り外すだけでアクセスできる。

 NASキットは、モデルによってストレージの交換のために本体をかなり細かく分解しないといけないものも存在する。それと比べると、メンテナンス性は高いといっていいだろう。M.2 SSDはスロットは4基あり、どのスロットも「Type2280」(幅20×長さ80mm)のモジュールに対応している。SSDの固定はツールレスではなくネジ止めだ。F4 SSDの初期設定において、工具が必要なのはSSDの取り付けのみとなる。

 なお、4基あるM.2 SSDスロットのうち、スロット1と2はPCI Express 3.0 x2接続、スロット3と4がPCI Express 3.0 x1接続と、レーン数(≒最大アクセス速度)が異なる。搭載するSSDの組み合わせや、使い方によってはパフォーマンスに影響が出る恐れがあるので少々注意が必要だ。

 メモリはユーザー自身で換装可能な仕様となっている。スロットの数は1基で、仕様上は最大16GB(DDR5規格)までサポートしているので、容量を増やしたい場合は標準の8GBモジュールを取り外して、16GBモジュールに交換しよう。

内部
アウターケースを外すと内部にアクセスできる。大型のヒートシンクが半分以上を占めることが特徴だが、この時点でメモリスロットにアクセス可能だ
SSDスロット
SSDスロットは基板の反対側にある。シルク印字にもある通り、スロットによってレーン数(≒最大アクセス速度)が異なることには気を付けたい
ACアダプターも小ぶり
電源はACアダプターによる外部供給となるが、コンパクトなので取り回しやすい

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