バッテリーレスのポータブルゲーミングPC「GPD WIN 5」の実機を見てきた “3つの世界初”に価値はある?(2/3 ページ)
天空が、中国GPDのポータブルゲーミングPC「GPD WIN 5」の取り扱いを開始した。同機の最大の特徴はバッテリーを内蔵しておらず着脱式にしたことだ。発表会には実機も展示されていたので、その他の特徴や短いながらもハンズオンの様子を紹介する。
GPD WIN 5の最大の特徴でもあり、2つ目の世界初としてうたっているのは、バッテリーを内蔵していないという構造だ。これにより電源に接続したまま長時間に渡り高負荷なゲームなどをプレイをしても、バッテリーの発熱や膨張、劣化心配をしなくても済むというメリットが生まれる。
天空の山田拓郎社長は「実際、ユーザーの多くがポータブルゲーミングPCを電源に接続したまま利用している。そのため、内蔵バッテリーへの不安を抱いているという話を聞いている」と述べ、外付けバッテリーの採用が理にかなっていることを説明した。
バッテリーを内蔵していないGPD WIN 5を持ち運んでプレイする際には、着脱式バッテリーを取り付ける仕組みだ。
着脱式バッテリーの容量は80Whで、GPD独自の「FlexPower」技術を採用することで外付けバッテリーでも安定的な給電を実現しているという。なお、バッテリーで電力供給している間のTDPは最大28Wだ。
バッテリーからの電源供給方法は、カセットのようにバッテリーを取り付ける一体型モードと、専用ケーブルを使った有線モードの2つが用意されている。有線モードでは約350gのバッテリーをポケットやカバンなどに入れることで、本体は軽い状態で遊ぶといった使い方が行える。
3つ目の世界初は、Mini SSDスロットを搭載したことだ。Mini SSDとは、中国Biwin(バイウィン)が開発したカード型SSDで、サイズは約15(幅)×17(奥行き)×1.4(高さ)mmと、microSDメモリーカードよりわずかに大きい。
インタフェースはPCI Express 4.0で、読み出し/書き込み速度は最大毎秒1600MBと高速だ。中国メーカーのポータブルPCで徐々に採用が進んでいるという。
その他のインタフェースは、microSDメモリーカードスロット、180W DCポート、USB PD(Power Delivery/最大100W)、USB4、USB 3.2 Gen 2 Type-C、USB 3.2 Gen 2 Standard-A、3.5mmヘッドセット端子となっている。
ディスプレイの解像度は1920×1080ピクセルで、リフレッシュレートは最大120Hz、最大輝度は500ニトで、ネイティブランドスケープの7型LTPS液晶パネルを採用している。
高い処理性能を支えるために、新しい冷却アーキテクチャ「Frost Wind」を採用している。熱伝導率の高いナノレベルのヒートパイプを4本、チタンアルミニウム合金ブレード製のPCグレードターボファンも採用している。
ジョイスティックは静電容量式でピクセル単位の照準精度を実現し、ジョイスティックを格納するリミットリングやガイドリングも、ジョイスティックの動作を妨げない設計にした。
トリガーボタンの深さを2段階で調整するトグル式背面ボタンを搭載し、FPS(ファーストパーソンシューター)などのシューティングゲームや格闘ゲーム、レースゲームなどで最適な操作感を得られるようにしたという。
さらにUSB 3.2 Gen 2 Standard-A×3基、ギガビットイーサネット、HDMI出力、専用バッテリー充電用USB Type-Cの各端子を備えるスマートドックを別売りで用意しており、接続すればGPD WIN 5をデスクトップPCのように使える。専用バッテリーは、AC電源を接続したGPD WIN 5に装着している間、または電源を接続したスマートドックにセットしている間のみ充電できる仕様になっている。
GPD WIN 5の本体サイズは約267(幅)×111.6(奥行き)×24.21(高さ)mm、重量は約590gだ。着脱式バッテリーのサイズは約110.76(幅)×110.3(奥行き)×18.1(高さ)mmで、重さは約350g、スマートドックのサイズは約190.07(幅)×169.5(奥行き)×38(高さ)mm、重さは現時点で非公表だ。
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