実質32型のビッグサイズ! 4K画質で23.8型×2画面! サンコーの欲張りモバイルディスプレイ「DMBG25HBK-4K」を試す:モバイルディスプレイの道(2/3 ページ)
サンコーから、モバイルディスプレイながらデュアル23.8型で4K表示に対応した「DMBG25HBK-4K」が発売された。ユニークな1台をチェックした。
3つの表示モードに対応 必ずしも4K解像度で表示できない場合も
では実際に使ってみよう。本製品はWindowsとmacOSに対応するが、2画面タイプのモバイルディスプレイの宿命で、モードによっては特定のOSおよび接続方法で利用できない場合もあるため、そこもチェックしていく。なお、今回の検証はWindows 11搭載PCを用い、USB Type-C接続で行っている。
最初は、2つの画面に異なる内容を表示する「マルチディスプレイモード」だ。ノートPCの画面と合わせてトリプルディスプレイとして使えるモードで、利用頻度も高いと考えられる。ただし、USB Type-CおよびDisplayPortを用いる場合、Macでの利用には対応しないなど、接続方法による制限がややタイトだ。
もう1つは、2画面に同じ内容を表示する「ミラーモード」だ。画面を背後に折り返して対面表示にし、正面にいる相手に画面を見せながら説明するなど、プレゼン用途での利用が考えられる。ちなみに、背後に折り返した画面は天地が自動的に反転するので、手動で向きを切り替えるわずらわしさはない。
この2つのモードにおける本製品は、PC側から見て2台のディスプレイであると認識される。そのためWindows側のディスプレイ設定で、それぞれの画面について解像度の設定や向きの変更を個別に行える。ちなみに4Kということで、画面1つごとの解像度は最大で3840×2160ピクセルとなる。
3つ目は、上下2画面を連結させて1つの大画面として扱う「フルスクリーンモード」だ。本製品は1画面あたり23.8型なので、2画面並べると32型相当となる。中央に継ぎ目があるとはいえ、これだけの大画面を持ち歩けるのは、本製品ならではだ。USB Type-C/HDMI/DisplayPortのどの接続方法でも利用でき、またWindows/macOSを問わず使えるなど汎用(はんよう)性も高い。
ただし注意したいのは、この2画面連結状態での最大解像度である3840×4320ピクセルは、必ず表示できるわけではないことだ。例えば今回の筆者の試用環境では、2560×2880ピクセルが上限だった。2つの画面をバラバラに認識させた場合は、3840×2160ピクセルが上下に並ぶので、連結させたことで解像度が下がったことになる。このように、出力元となるPC側の制限で、思ったような解像度が得られない場合もあることには気をつけたい。
なおこのフルスクリーンモードでは、本製品はPCから見て1台のディスプレイと認識される。前述の2モードからの切り替えは右側面、OSDメニュー操作用のボタンの最上段にあるボタンで行う。Windows側の操作だけで、前述の2モードからこのフルスクリーンモードに切り替えることはできないので要注意だ。
ちなみにこの2画面連結状態での縦横比は限りなく1:1に近いため、横倒しに設置しても、見え方はほとんど変わらない。横倒しにするとケーブルが上に突き出す形になるのに加え、角度の調整も実質不可能になるので、本製品を横倒しにして使う意味はあまりないといってよさそうだ。
なおパススルー充電の仕様は、従来モデルと同じで独特だ。
具体的には、標準添付のアダプターでは対応しないが、最大出力100Wの充電器を接続した場合のみ、ノートPC側から45Wの電源に接続されていると認識される。従来モデルもそうだったが、取り扱い説明書では必ず付属の充電器を使うよう指示されているので、この使い方はサポート対象外になるが、知っておいて損はない。
余談だが、最大100Wの充電器だと認識されることから、それより出力が大きい充電器でも同様に認識されるだろうと想定していた。そこで、試しに240W出力の充電器に接続してみたところ、ノートPC側からはより低い最大30Wの充電器と認識されただけでなく、肝心の画面が表示されなくなるなど、使い物にならなかった。詳しい仕様は不明だが、もともとマニュアルにも明記されていない機能ゆえ、試す場合は自己責任となることを肝に銘じたい。
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