1ドライブで大容量の30TB! 個人でも買えるNAS向けHDD「IronWolf Pro」を試す(2/2 ページ)
日本シーゲートのNAS向けHDD「IronWolf Pro」シリーズに属する「ST30000NT011」は、容量30TBの大容量モデルだ。NASだけでなくPCでの利用も想定してテストしてみた。
USB接続でもテスト
USB接続では、外付けケースとしてセンチュリーの「裸族のお立ち台 M.2ダブルスタンディングプラス」を使った。USB 10Gbps接続にて、内蔵接続と同様にCrystalDiskMarkでテストした。
シーケンシャルリードで毎秒290MB、シーケンシャルライトで毎秒291MBと、誤差範囲だが少しだけUSB接続の方が速い結果となった。
消費電力と温度チェック
消費電力は、USB接続時にACアダプターをワットチェッカーで目視にて確認した。HDDを付けない状態では1W、アイドル時は9W、スピンアップ時は21W、読み書き時は11Wと、おおむねスペック通りとなった。
発熱のチェックは、内蔵接続時に無風状態にてサーモグラフィーカメラを使った。表面は約50度、裏面の一番高い温度でも58.4度だった、ここはコントローラーチップの部分と思われる。
本来はNASに入れて使用するため、冷却ファンなどがあり実際にここまで温度が上がることはないだろう。
NASに入れてチェック!
本製品のメイン用途であるNASでは、手持ちのASUSTOR製「NIMBUSTOR 4 Gen2(AS5404T)」を使用し、PCとの接続には2.5Gbps接続でテストを行った。
まずNASに取り付けディスク情報を見ると、「IronWolf Health Managementをダウンロードして実行してください」と表示された。
NAS向けのアプリで、App Centralからインストールを行った。
IronWolf Health Managementのインストール後、ディスクマネージャーにある「IronWolf 健全性状態」の詳細から、作業量と温度をチェックできるようになった。
動画ファイルコピーして2TBほどファイルを作り、NASからデスクトップのSSDに1.6TBまでコピーしてその時間を計測した。
2172ファイルを転送した際の平均速度は毎秒約260MB、時間にして約1時間48分だった。同じ容量のHDDがないため同じテストはできないが、フルにデータがある状態からデータを転送するには1日以上かかりそうだ。
まとめ
大容量HDDのメリットは、多彩なデータを貯めておける安心さにある。30TBは現時点で買える単体のストレージとしては最大容量ゆえ、価格も12万前後と安くはない。
しかし、転送速度についてはHDDとしては速く、NAS向けにカスタムされた技術と高度なHDD診断機能、さらにデータ復旧サービスの「Rescue Data Recovery Services」(3年間)が無料で付帯するのは魅力だ。
写真データや動画データなど、どんどん増える大容量データを気にせずNASに保管する際に使うには最適なモデルだろう。
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