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絵を描かないけどワコムのAndroid有機ELタブ「MovinkPad Pro 14」を買ってみた “極上のメモデバイス”兼“高解像度サブディスプレイ”に大満足「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(3/4 ページ)

企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サービスをいち早く試してレビューする連載。

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ペンで書くというメインの機能は期待通り

 さて、筆者はこうしたデバイスで絵を描くのではなく、紙のメモを取るような使い方をしたいと考えています。しかし、多くのデバイスはこんな悩みがあります。

 例えば、電子ペーパーを採用したBOOXはスタイラスペンの反応がかなり良いのですが、それはBOOX純正アプリを使っている場面だけで、サードパーティー製アプリをインストールして使おうとすると、途端にそのペン精度が落ちてしまうといった現象に遭遇します。まさに筆者の愛用するObsidianを使ってみると、目に見えてペン軌跡の遅延が発生します。快適とは言いづらいです。

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BOOX Go 10.3。専用アプリでのメモ書きは快適です

 ところが、MovinkPad Pro 14はObsidianなどのサードパーティー製アプリを使っても正常に反応してくれます。当たり前ですが、これが使いたかった!

 ただし、ちょっと気になる部分もありました。ペンの使用時に手が画面に触れてしまうことによる誤作動を防ぐパームリジェクションが甘いです。Movink 13では完全に手入力をオフにする設定ができ、ペンのみ反応するように設定可能でした。これはすごく重宝しており常にオフにしているのですが、MovinkPad Pro 14はそうした設定が見当たりませんでした。もしかしたらAndroidとしての制約かもしれませんが、可能であれば、設定で変更できるとうれしいですね。

巨大なAndroidタブレットとしても使える ただし注意点も

 MovinkPad Pro 14は14型のAndroidタブレットでもあります。大画面を生かして、いろいろと使えると思います。

 電子書籍目線で言うと、雑誌を読むのも快適なサイズです。個人的にハマったのが「日経電子版 紙面ビューアー」です。もちろん字は小さいのですが、拡大しなくても記事が読めるレベルです。新聞を読むのが相当はかどるようになりました。

 しかし、Androidタブレットとして考えた時には大きな注意点があります。カメラがないのが原因なのかは不明ですが、一部、インストールできないアプリがあるようです。

 よく他のレビュー記事で目にするのが、SNSの「X」です。確かに、Google Playで検索すると「このアプリは、お使いのデバイスでは利用できません」と表示されています。

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インストールすらできません

 どのアプリがインストールできないかは実際にデバイスを手に取ってみないと分からないので、どうしても使いたいアプリがある方は購入前に検証が必要です。そう考えると、画質が低くとも、出っ張りがないレベルのカメラを搭載してもよかったのでは、とも感じます。それかインカメラを搭載し、オンライン会議に使えるようにしてもよかったかもしれません。

 もちろん端末のコンセプトを考えると私はカメラなしで良いのですが、汎用(はんよう)性を考えると、最低限のカメラは搭載していてもよかったですね。

 また、液晶ペンタブレットとしての機能に特化しているので、タブレットとして動画視聴のようなエンタメ消費の用途にはマッチしないでしょう。スピーカーも普通です。指紋認証や顔認証といった生体認証もありません。常にパスコードでのロック解除が必要です。

 巨大なAndroidタブレットとしての用途を期待する場合は、しっかりと考えて判断されることをオススメします。

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