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絵を描かないけどワコムのAndroid有機ELタブ「MovinkPad Pro 14」を買ってみた “極上のメモデバイス”兼“高解像度サブディスプレイ”に大満足「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(4/4 ページ)

企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サービスをいち早く試してレビューする連載。

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予想外だった価値 高性能なモバイルディスプレイとしても使える

 かなりうれしい誤算もありました。「Wacom Lab」という実験的な立てつけではありますが、Windows/Macに接続して液晶ペンタブレットとしても使える機能が備わっています。

 接続方式は有線接続以外にWi-Fiでも接続できます。つまりワイヤレス接続できます。PC側に専用アプリをインストールする必要はありますが、便利ですね。ただし、現時点ではArmベースのWindowsは非対応、Intel Macや最新のmacOS 26にも非対応なのでご注意ください。

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Windowsのディスプレイ設定。専用ソフトで接続しますが、接続してしまえば普通のディスプレイと同じく、解像度や配置を設定できます

 Movink 13でも同じように拡張ディスプレイとして使えますが、Movink 13で気になっていた縦解像度の不足(1920×1080ピクセル/アスペクト比:16:9)が、MovinkPad Pro 14(2880×1800ピクセル/アスペクト比:16:10)では解消されています。この点も非常に満足度が高いです。

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左上を起点としてMovink 13を重ねた写真。右側と下部に微妙に白縁が見えると思いますが、それがMovinkPad Pro14です。ほぼ誤差レベルのサイズです

 Windows/Macに接続し、オンライン会議でMovinkPad Pro 14の画面を共有したり、ホワイトボードなど手書きでリアルタイムに共有表示したりといった用途に活用できるため、かなり便利です。私はシステム関係の仕事をしているので、システム構成図やこの先の進め方を議論する際、こうした手書きで会話できるのは非常に強力です。対面打ち合わせだと、ホワイトボードを皆で見ながら行うケースですね。

 ワイヤレス接続できるので設置の自由度の高さも魅力ですが、やや遅延は感じます。Webブラウザをガンガンスクロール表示するようなケースでなければ遅延は気にならないレベルでしょうか。有線接続した場合は問題ありません。

 過去モデルのMovink 13と比べると、本体サイズはほぼ同等、MovinkPad Pro 14の方が解像度も高く、縦幅も広い。無線での表示も可能。Androidタブレットとして、単体でも使える──パームリジェクション機能などわずかな差はありますが、Movink 13はお役御免となってしまいそうです。

 蛇足になりますが、モバイルディスプレイとしても使えるということで、3Dプリンタで専用のスタンドを作りました。変なギミックを作ると壊れやすくなるので、できるだけシンプルに必要な機能だけを実現できるようにしました。コンパクトなので持ち運びも楽で、気に入っています。

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立ててセットした図。下部の緑色の置物が自家製スタンドです。ペンを置けるようにしました
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同じスタンドの支え部分を斜めに作り、なだらかに置けるようにもしました。本を読むときはこのくらいの角度が使いやすいですね

イラスト用と思いきや、ビジネスで大いに活用できる逸品

 ワコムのタブレットというとプロのイラストレーター向けの製品と思ってしまいがちです。しかし、フタを開けてみるとビジネスでも大活躍できる仕様です。

 外出や出張時にモバイルディスプレイを持ち運ぶ方にもオススメです。多少重くはなるものの、Androidタブレットとしても利用でき、ペン入力/タッチ操作可能な機能も搭載したディスプレイを持ち運べると考えると、かなりできることに幅が生まれるのではないでしょうか。

 私は「ASUS Zenbook Duo」という2画面を内蔵したノートPCを使っていますが、持ち物構成を見直す時が来たのかもしれません。

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素晴らしい品質の製品だと感じます。すごく気に入りました。なお、ペンの太いゴムの部分は、別売りのWacom Pro Pen 3 フレアグリップです

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