キンタロー。も驚くほぼ「入力ゼロ」の“次世代”確定申告 2026年の弥生は3つのAI活用とデスクトップ製品強化を両輪に(3/3 ページ)
個人事業主やフリーランスを悩ませる「面倒・難しい・不安」という確定申告の課題に対し、AI-OCRやマイナポータル連携による「入力ゼロ」に近づく新たな体験を提示する弥生。同社の2025年度振り返りと2026年度の方針を聞いた。
武藤社長が語る「骨格」から「血流」へ
武藤社長兼CEOは、2025年度の取り組みについても振り返った。
「2025年度は『新生弥生』として、スタートラインに立つための1年だった」とし、業務効率化を支援する「現場に力を」、経営判断支援を行うための「経営に可能性を」、BU制への移行などを含む「組織」という3点で強化を図ったとする。
「現場に力を」および「経営に可能性を」においては、 2025年4月から提供を開始した「弥生会計Next」を挙げる。クラウドでの利用を前提とした製品で、完全自動化による業務の効率化を実現すると共に、「資金分析β版」などのAI経営支援機能を実装している。
弥生会計Nextのこれまでの手応えについて、武藤社長兼CEOは「当初計画を上回っているが、さらに伸ばしていきたい」と意欲をみせた。
また、2025年度中に、3社のM&Aを実施し、「下地の強化」を実現。業務効率化や経営判断支援を加速しているという。
具体的には、2025年6月に経費精算プロセスをAIで自動化するプラットフォームを提供するMiletosを傘下に収めた他、2025年7月にFintechサービスを提供するAlarmboxを買収し、企業調査ができる「パワーサーチfor弥生ユーザー」や、中小企業向けの売掛金保証サービスである「ギャランティfor弥生ユーザー」を提供している。
さらに2025年8月には、起業直後の法人や個人事業主を対象に、創業や資金調達/開業/経営支援に関する情報およびツールの提供を行う創業手帳がグループ入りしている。
組織の強化では、BU制へと移行したことを指摘する。これにより、クラウド型の弥生Next、デスクトップ型の弥生、新たな事業を担当するInnovation Xという3つの事業を、それぞれ独立した組織で推進する体制を敷いた。
また、「弥生Style」と呼ぶ人事ポリシーを施行した。評価や育成などの仕組みを、新たなミッションやビジョンに合わせて変更したという。
さらに、社内でのAI活用の促進にも取り組み、全社員に生成AIのアカウントを付与することで、コールセンターでのAI活用による業務の効率化や、開発現場での生産性向上を実現したという。一部製品はAIによって、ゼロから開発を進めたといった実績も生まれているそうだ。
武藤社長兼CEOは「弥生を設立してから30年近くを経過するが、その間、中小企業だけを対象にし、中小企業を支援する税理士、会計士とともに、ビジネスをしてきた。この姿勢はこれからも変わらない。中小企業を元気にすることで、日本の好循環を作ることをミッションに掲げている。
一方で、この1年での変化は従来の『事業コンシェルジュ』によるお客さまのニーズに沿ったモノ作りやサービス提供ではなく、能動的に動き、より積極的に元気にやっていく体制に移行したことである。30年近くの経験と知識、パートナーシップを活用し、その上にテクノロジーを乗せて、業務の効率化と経営判断支援を行っていくことが、弥生のありたい姿である」と述べた。
このような取り組みを振り返りながら、「2025年度はプロダクト、グループ、組織といった基盤を整える、骨格を作り上げた1年であった。2026年度は強固な基盤にAIやデータを巡らせて事業に血を通わせ、躍動させていくことになる。2025年度に築き上げた『骨格』をもとに、2026年度は『血流』に挑む」と語った。
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