Macの容量不足をThunderbolt 5で解決! 80Gbps対応SSDケース「D1 SSD Pro」で爆速ローカルLLM環境を作る(3/3 ページ)
Mac StudioでローカルAIの運用をしていたところ、ストレージ不足に悩むようになった筆者。そこにThunderbolt 5接続SSDケース「TerraMaster D1 SSD Pro」をレビューする機会が舞い込んで来た。このSSDケースは、筆者の悩みを解消してくれるのだろうか……?
パフォーマンスは期待通り!
D1 SSD Proについて一通り紹介したところで、Mac Studioに接続して実際の動作をチェックしていこう。今回のテストでは、PCIe 4.0対応のNVMe SSDとして編集部にストックされていたMicron Technology製の「Crucial T500」の1TBモデルと組み合わせてテストしている。
Crucial T500の1TBモデルは、シーケンシャルリード速度が最大毎秒7300MBというハイエンドモデルだ。果たして、D1 SSD Pro経由でどの程度のパフォーマンスを発揮できるのか、そして懸念される発熱をどの程度抑えられるのか――楽しみにしながらテストを行ったのでその結果を共有したい。
今回はMac Studioでの検証となるため、Windowsユーザーにもなじみ深い「CrystalDiskMark」ライクなUIを持つベンチマークソフト「AmorphousDiskMark 4.0」を使用し、Mac Studioの内蔵SSDとパフォーマンス差を測定した。テストサイズは64GBに設定している。結果は以下の通りだ。
- 64GB(読み出し)
- SEQ1M QD8
- D1 SSD Pro:毎秒6727.63MB
- Mac Studio:毎秒6643.54MB
- SEQ1M QD1
- D1 SSD Pro:毎秒5374.76MB
- Mac Studio:毎秒3659.05MB
- RAND4K QD64
- D1 SSD Pro:毎秒603.11MB
- Mac Studio:毎秒1223.22MB
- RAND4K QD1
- D1 SSD Pro:毎秒59.95MB
- Mac Studio:毎秒71.81MB
- SEQ1M QD8
- 64GB(書き込み)
- SEQ1M QD8
- D1 SSD Pro:毎秒6065.28MB
- Mac Studio:毎秒6491.15MB
- SEQ1M QD1
- D1 SSD Pro:毎秒4812.64MB
- Mac Studio:毎秒6385.79MB
- RAND4K QD64
- D1 SSD Pro:毎秒271.47MB
- Mac Studio:毎秒200.75MB
- RAND4K QD1
- D1 SSD Pro:毎秒45.24MB
- Mac Studio:毎秒39.81MB
- SEQ1M QD8
順次読み出しの結果を見ていくと、QD8(高並列)テストでは両者がほぼ同等の速度を記録した。Thunderbolt 5接続の外付けSSDでありながら、Mac Studioの超高速な内蔵SSDと肩を並べるパフォーマンスを発揮しているのは素直に優秀な結果といえる。「ローカルLLMにおける巨大なモデルデータの読み込みを高速化したい」という筆者の主目的を十分に果たせそうだ。
一方、QD1(シングルキュー)テストではD1 SSD Proが内蔵SSDを大きく上回るパフォーマンスを発揮する“逆転現象”が起きている。これは、Mac Studioの内蔵SSDが並列処理を重視した設計になっているためと考えられる。
逆にランダム読み込みでは、QD64/QD1共に内蔵SSDの方がよいパフォーマンスを示した。これは内蔵SSDが並列処理に特化している点に加え、Apple Siliconのアーキテクチャ特有の「NVMeコントローラーとユニファイドメモリのバスが直結している」という強みが出た結果と読み取れる。
続いて、順次書き込みのスコアを見てみよう。QD8テストでは内蔵SSDがやや優勢で、QD1テストでは内蔵SSDが大きく差を付ける結果となった。これは、Mac Studio内蔵SSDのSLCキャッシュの効率がよいことが理由だと思われる。
しかし、ランダム書き込みでは再び立場が逆転し、QD64/QD1共にD1 SSD Proが優勢となった。これは今回テストに用いたCrucial T500のNVMeコントローラーが、ランダム書き込みに対して極めて優秀に立ち回っていることを示している。
用途に応じた使い分けで、最強の外付けストレージ環境を実現!
外付けのNVMe M.2 SSDがこれだけの圧倒的なスコアを叩き出せるのは、最大80GbpsというThunderbolt 5の広大な帯域幅の恩恵に他ならない。
ベンチマーク結果をよく見ると、ランダム読み出しの並列性能に関しては、さすがにApple Siliconのメモリバスに直結している内蔵SSDの方が高速だ。ただし、ローカルLLMの運用では「ランダムアクセスの弱さ」は実用上ほとんど影響しないと言っていい。基本的な、ローカルLLMの動作は「数十GBのモデルをMac Studioの巨大なユニファイドメモリに一気に読み込み(オンメモリにして)から推論する」からだ。
この最初の読み込みにかかる時間は、シーケンシャルリードの速度に依存する。ゆえに内蔵SSDに匹敵する速度を出せるD1 SSD Proなら、パフォーマンスの低下を起こさずに使える。「複数台のデバイスを連携させるexoクラスタ環境の構築」あるいは「メモリに乗り切らない巨大なモデルにmmap(メモリマッピング)を適用してストレージに頻繁なランダムアクセスを行う」といった特殊な使い方をしない限りは、気にする必要はないだろう。
「普段のモデルの保管庫として大容量のD1 SSD Proを活用し、オンメモリで推論させる」という一般的なプロシューマーの用途であれば、内蔵ストレージと全く遜色ない感覚で快適に利用できる。“最強の外付けストレージ環境”といってよいだろう。
最後に、冒頭で懸念していた「発熱」について触れておこう。今回AmorphousDiskMark 4.0で複数回にわたって負荷の大きいテストを実施した直後に、D1 SSD Pro本体の発熱がどれほどか実際に手で触れて確認してみた。
結果からいうと、ケース表面はほんのり温かく感じる程度だった。触れる程度の発熱に抑え込まれているということだ。これは巨大なヒートシンクのようなアルミボディーと、付属の放熱シートが確実に機能している証拠といえる。これなら、夏場の長時間の運用でも熱によるパフォーマンス低下の心配は不要だろう。
もし筆者と同じように、Mac StudioやThunderbolt 5ポートを搭載したMacBook、あるいはWindows PCを使ってローカルLLMを実行している人、あるいは高解像度の動画を扱うクリエイティブな作業をされている人は、快適な作業環境を構築するための有力な選択肢としてぜひ本製品を一度検討してみてほしい。
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