市場の逆風も「成長のチャンス」へ――トップ自らeスポーツの現場に立つマウスコンピューター、2026年の戦い方:IT産業のトレンドリーダーに聞く!(2/3 ページ)
ポストコロナ時代に入り、業界を取り巻く環境の変化スピードが、一段上がった。そのような中で、IT企業はどのようなかじ取りをしていくのだろうか。大河原克行さんによる経営者インタビュー連載は、マウスコンピューターの後編だ。
なぜマウスはeスポーツに全力? 「PCで人生が変わるきっかけに」
―― 2026年度は、ゲーミングPCではどんな戦略を打ち出しますか。
軣 2026年度は、ゲーミングPCが盛り上がる1年になると期待しているんです。中でも2026年9月は、名古屋でeスポーツのアジア競技大会が開催され、TEAM JAPANの参加が予定されているのに加え、同じく9月に開催される「東京ゲームショウ2026」では、30周年を記念し、開催期間が1日延びることが発表されています。
これらの大規模なイベントを通じて、ゲーミングPCにも注目が集まるきっかけが生まれると期待しています。
―― 1月30日から、3日間にわたって大阪・梅田のグランフロント大阪で開催された、大阪府が主催する初のeスポーツイベント「Osaka GeN Scramble」(ジェンスク)。軣社長は3日間とも現地参加しましたね。また、3月21日と22日に名古屋のAichi Sky Expoで開催されたeスポーツイベント「ASIA esports EXPO 2026」(AeE)でも、軣社長自らが参加しています。
- →マウス社長が3日間“フル参戦”した理由とは? 大阪・梅田のど真ん中で起きた“eスポーツ×地域振興”の化学反応
- →「10歳でもプロを目指せる」――マウスコンピューター軣社長が語る、eスポーツ支援の理由とゲーミングPCの未来
軣 大阪府とは、2025年に大阪・関西万博の会場で開催した高校対抗の全国eスポーツ大会「Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2025」での連携に続き、2025年9月の東京ゲームショウ2025のマウスコンピューターのブースで、大阪eスポーツラウンドテーブル(OeGG)のステージを実施し、同月にはPCメーカーとして唯一、OeGGに参加したという経緯がありました。
大阪府では、吉村洋文知事自らが「eスポーツと言えば大阪」を目指した活動を推進しており、そこに何か協力ができないかと考えていたのですが、このイベントにかける大阪府の本気度を見て、当社も本気でやらないといけないと考え、私も3日間にわたって参加したわけです。
また、名古屋で開催されたAeEは9月のアジア競技大会に向けた日本代表候補選手選考大会を兼ねており、プロeスポーツ選手による白熱した試合が行われました。ここにも、当社はオフィシャルサプライヤーとして機材協賛とブース出展を行っています。
―― ここまで軣社長がeスポーツイベントの協賛などに力を注ぐ理由は何ですか。
軣 まず、PC業界がやらなくてはならないことは、eスポーツのユーザーを増やすことです。それだけでなく、若い人たちがeスポーツを見て、刺激を受けて、プレイしてみたり、クリエイターを目指したりといったきっかけになればいいと思っています。
PCで人生が変わったとか、PCによって新たな未来が見えるきっかけになったというように、PCが人の人生や生活を豊かにするためのツールになることを期待しています。その1つがeスポーツといえます。
eスポーツを盛り上げるには、自治体などとの連携が重要です。こうした動きが各地に広がると、eスポーツの認知が広がっていくと思っています。大阪府の取り組みは、そのモデルケースになり、地方都市での普及や若者世代に対する訴求になるのではないかと期待しています。
―― マウスコンピューターと、eスポーツチームとの連携には変化がありますか。
軣 これまでは機材提供を中心としたサポートでしたが、プロeスポーツ選手が何を求めているのか、もっと活躍するためにはどんな支援ができるのかということを議論しているところです。
量販店でのイベント開催による認知度向上や、地域の活性化につながるようなイベントの開催などを含めて、eスポーツチームとの連携をしていきたいですね。PCを売るためのスポンサードではなく、プロeスポーツチームの発展、eスポーツの発展に貢献したいと考えています。もちろん、G TUNEやNEXTGEARでも、マウスらしいPCを投入していく姿勢はこれからも変えません。
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