ライカ共同開発の2眼ジンバル「Insta360 Luna Ultra」レビュー 12倍望遠、画面分離ギミックを持つ片手8Kカメラ:武者良太の我武者羅ガジェット道(4/4 ページ)
Insta360初のジンバルカメラ「Luna Ultra」をレビューします。ライカ共同開発の2眼レンズを搭載し、片手での8K撮影や最大12倍ズームを実現。画面が分離してリモコンになる革新ギミックなど、全方位に隙のない万能感を検証します。
撮影の自由度を広げる、革新的な分離型リモコン機構
Luna Ultraの本体下部にある両側面の赤いボタンを押すと、回転式ディスプレイとコントロールユニットが丸ごと取り外せます。ジンバルカメラのヘビーユーザーであれば、「まさにこれを待っていた」と叫びたくなる仕様ではないでしょうか。
スマートフォンアプリを使った遠隔操作も可能ですが、やはり独立した「物理コントローラー」が手元にあるアドバンテージは非常に大きいです。画面のタッチ操作だけでは難しい、手元の感覚を頼りにした「ノールック(手元を見ない)操作」がスムーズに行えるからです。
リモコンの通信距離は見通しで約20mです。障害物の有無や2.4GHz帯の混雑状況によって左右されますが、ジンバルカメラの活用シーンを広げてくれる素晴らしい機能です。カメラがすぐ目の前にある状況でも、わざわざ本体をのぞき込むことなく、楽な姿勢のまま手元でアングルを確認できるため、日常的な撮影でも積極的に使いたくなります。
期待を裏切らない、極めて高い動画クオリティー
「高性能な機能を初心者にも使いやすく」という設計思想が随所に感じられるLuna Ultraですが、肝心の動画クオリティーの実力はどれほどなのでしょうか。実際の映像から検証します。
まずは手ブレ補正の性能です。あえて歩き方を意識せず、上半身や腕が縦に揺れる状態で普通に歩いて撮影してみましたが、その補正能力は非常に優秀で、十分に満足できるレベルに達しています。Insta360にとっては初のジンバルカメラですが、これまで同社がスマートフォン用ジンバル「Insta360 Flow」シリーズなどで培ってきた高度な補正アルゴリズムが遺憾なく発揮されているようです。
4K撮影モードでは、最大12倍のズームに対応しています(8K撮影時は最大6倍)。ズーム倍率が3倍に達したタイミングで映像のトーンがわずかに変化しますが、これは物理的に使用するレンズが切り替わるためです。最新のスマートフォンでカメラをズームした際に発生する挙動と同様のものと考えて差し支えありません。
各レンズの基準となる1倍と3倍の画質は非常にシャープです。また、クロップズーム処理が行われているとみられる2倍や6倍の映像も、大画面のPCディスプレイで確認してなお、十分な解像感を維持しています。最大12倍までズームすると、さすがにデジタル特有の画質の粗さが目立ち始めますが、スマートフォンの画面で視聴するレベルであれば実用上問題ないクオリティーを保っています。
映像内の文字の視認性をチェックしても、クロップズームやデジタルズームを併用した状態でしっかりとテキストを読み取れます。フルサイズ換算20-240mm相当をカバーする、高倍率な記録用コンパクトカメラとしても運用できるほどの高いポテンシャルを感じさせます。
Luna Ultraには、最新の被写体追尾機能「Deep Track 5.0」が搭載されています。ペットや複数人のグループ、任意の被写体を自動で追尾してくれますが、この機能は望遠域でも極めて有効に働きます。
実際に6倍や12倍の望遠域で試してみたところ、その追尾精度には驚かされました。従来の「ミラーレス機+望遠レンズ+大型ジンバル」という大掛かりなシステムでも制御が難しかった高度なフレーミングが、この軽量なデバイスを用いて片手で実現できてしまうからです。さらに、被写体の形状がシンプルであれば、ズーム倍率をシームレスに変更しても追尾を見失うことなく捉え続けてくれます。
注意点として、撮影解像度を8Kに設定した場合は、1倍と3倍のレンズ切り替え時の挙動が非シームレスになる他、ズーム倍率も前述の通り最大6倍までに制限されます。
また、4K/120fpsで撮影して24fpsで再生するスローモーション動画撮影時にも、レンズの切り替えに一定の手間が発生します。現段階で致命的な欠点というわけではありませんが、今後のファームウェアアップデートや次世代モデルでのさらなる洗練を期待したいポイントです。
夜間などの低照度シーンにおける、ノイズリダクションのクオリティーも秀逸です。全体的に発色はやや控えめ(浅め)になりますが、暗所でも非常に視認性の高いクリーンな映像を残せます。この過酷な条件下でもズーム機能を実用的に使える点は、本機の大きな強みです。
あらゆるシーンを1台で完結させる、圧倒的な万能感
卓越したズーム性能を誇るLuna Ultraですが、クリエイターキットに付属するワイドレンズを装着すれば、よりワイドな広角撮影もカバーできます。マクロ、望遠、そして広角に至るまで、まさに全方位に隙のない仕上がりです。
さらに「Leicaナチュラル」「Leicaビビッド」「Leica Chrome」といった、ライカならではの印象的な色表現を楽しめるカラープロファイルも搭載されています。
本格的なカメラを使ったことがないスマホネイティブのユーザーにこそ、その手軽さと圧倒的なクオリティーを体験してほしい――Luna Ultraは、そう心からお勧めできる完成度の高い一台に仕上がっています。
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