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企業や業種の垣根を越えるコミュニティ「印刷女子」が提示する、“推し”から始まる新しい価値創造と印刷ビジネスの可能性(5/5 ページ)

印刷機器分野をはじめとする物作りの現場において、スペック競争が一段落し、市場ニーズの変動による閉塞感が漂う中、新たな風を吹き込む存在として「印刷女子」が注目されている。その実態を追った。

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ライバル企業同士が手を取り合う事務局 「ビジネスライクじゃない」交流の真意

 イベント終了後、リコー、日本HP、SCREENグラフィック、全日本印刷工業組合連合会、キーポイントインテリジェンスの有志などで構成される事務局メンバーに対し、メディア合同の取材が行われた。

 いわば、業界内ではライバル関係にある皆さんが事務局を運営している形だ。

事務局メンバーへの取材
事務局メンバーへの取材は、写真のように和気あいあいとした雰囲気の中で行われた

 本イベントの成果について、事務局は「つながり、学び合い、共感し合えるコミュニティの形成」という目的に対し、50名超という規模で多様な立場の参加者が活発に意見交換を行った点を高く評価した。新入社員からベテラン経営者までが対等にコミュニケーションを図り、仕事の枠を超えたつながりが生まれつつあることが確認された。

 異なる企業からの有志が集まったことで、何かしらのシナジーが生まれたのか、という点について質問したところ、「問題解決にフォーカスするなど、ビジネスライクな交流ではない」ということが回答の中で強調された。

 例えば、関野さんは「自分たちの印刷工場をメーカーの人が訪問するということがあった。印刷現場で『自分たちの機械が動いている』というのを目にして感動していた。仕事へのモチベーションが高まったのではないか」と語った。

 キーポイントインテリジェンス 清水祐介さんは、「立場が違えば、見えている問題点も違う。そのような人たちが交流してつながることで、シナジーは生まれるのかもしれないが、それを急いでいるわけではない。可能性があるなら大切にしたいね、というスタンスだ」と回答した。

 日本HPの永嶋ゆりさんも「仕事以外の接点がなかったが、事務局に参加することで同じような仕事をしているはずなのに、視点も環境も全く異なることに気付けた。このような経験が次につながるのではないか」と述べていた。

 現在、300人ほどがメールマガジン会員として登録しており、交流会への参加者も(今回を含めず)延べ250人となったが、今後は業界外に向けて魅力の発信を強化していきたいという抱負が語られた。

 ハードウェアだけの差別化が難しくなっている今だからこそ、印刷物を介したコミュニケーションや共創の場を提供する「印刷女子」の活動は、印刷業界のみならず、PCやその周辺機器業界が次のステップへ進むための1つの道標になるのではないかと感じられた。

交流会の一場面
休憩時間の間も活発な交流が行われていたのが印象的であった

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