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「文系か理系か」で悩まなくていい――NVIDIAが女子中高生に伝えたAI時代のキャリアと英語の重要性(3/3 ページ)

エヌビディア(NVIDIA日本法人)の女子中高生向けオフィスツアーが、3年連続で開催された。多数の応募者から選ばれた17人が、エヌビディアの東京オフィスを訪れ、現役の従業員たちから話を聞いた。進路に悩む中高生が、そこで得た答えとは……?

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「Ask Me Anything」で進路選択に重要なことを学ぶ

 最後のプログラムは、参加者がエヌビディアの女性従業員に質問できる「Ask Me Anything」だ。女性従業員たちは参加者のいるテーブルに座って、質疑に答えるというスタイルで、理系の従業員が4人に加え、自己紹介スライドを披露しなかったものの、文系従業員も4人加わった。

中村真奈さん
前職でプリクラや受像機側でのアップスケーリングなどの開発に携わっていた中村真奈さん(ソリューションアーキテクトマネージャー)
岳 玉玲さん
20年前に中国から留学してきて、与信モデルなどデータアナリストを行っていた岳玉玲さん(セールスオペレーション)
松本美咲さん
純日本人なのに、なぜかカリフォルニア大学バークレー校でニューロサイエンスを学び、「Siri」「Alexa」といった音声認識技術の開発に携わっていた松本美咲さん(デベロッパーリレーション)
アマロ サフィラさん
ブラジルのサンパウロにある大学でコンピューター工学を学んだ後、日本の大学院で博士課程を修了し、スクウェア・エニックスへ新卒入社した経験もあるアマロ・サフィラさん
左から、アマロさん、松本さん、岳さん、中村さん
自己紹介が終わって、各テーブルへ移動前の4人(左からアマロさん、松本さん、岳さん、中村さん)

 質疑応答といっても、開始から10分ほどは「何を質問すればいいのか?」という面持ちで、ほとんどの参加者たちが社員たちからの話を聞くのに集中しているようであった。

 しかし時間の経過と共に、従業員たちの話を聞いているうちに疑問が思い浮かんできたようで、「英語は必要ですか?」「英語を学ぶとしたら留学した方が良いですか?」「理系(あるいは文系)を選んで良かったと思っていますか?」といった、学習に関わる質問が飛び出してきた。中には「エヌビディアに就職して良かったと思いますか?」といった、突っ込んだ質問も出てきた。

 例えば「(文系と理系の)どちらを選べばよいか分からない。自分は数学が苦手だ」という質問に対して、ある理系従業員は「実は私も数学が苦手だった」と明かした上で「『これからは数学の時代だ』と、自分でルートを決めてから、がむしゃらに頑張った。興味関心が別になることもあるけれど、それを心配する必要はない」と回答していた。

社員の話に真剣に耳を傾ける
社員の話に真剣に耳を傾ける参加者

 同じテーブルにいた文系社員は「古代ギリシャ歴史に興味があり、それを学んでいた。歴史は事実として変わらないが、AIは常に進歩するのが当たり前。でも、倫理観は普遍的なもの。真逆のものだが、両方を学べて良かったと感じている」と答えていた。

 「今は自宅でも英語を学べるが、それでも海外へ行くのにメリットはあるのか?」という質問に対して、ある理系従業員は「家でも学べるし、それこそ(今なら)AI翻訳もある。しかし、実際に外国へいって生活することで負荷がかかり、度胸がつく。交渉力や相手に伝える力、説得力も身に付く。何より一次体験をすることで、多面的な考えを持てるようになる。だから、できるなら海外へ実際に行くことをお勧めしたい」と答えていた。

熱心にメモを取る
熱心にメモを取る参加者も多かった

 仕事と会社のことについては、「自分を大切にしてくれない会社にいる必要はない」「尊厳を守ってくれる会社を選んでほしい」「人に優しい会社」という言葉が、従業員たちの口から飛び出していた。アマロさんは「就職してから『ここは自分のことをないがしろにしているな』と感じたのであれば、そこにいる意味はないと思う」と語っていた。

AI時代でも“自ら”英語を駆使できることは強みになりうる

 Ask Me Anythingが終わると、閉会の時間だ。閉会に当たって、堀内朗さん(エンタープライズマーケティング本部 本部長)があいさつに立った。

 堀内さんは「AIは0から1を作り出せないが、人間にはそれができます。イベントへ参加して体験するという行動は0から1を作り出すものであり、それは素晴らしいことです」と語り始める。

エンタープライズマーケティング本部 本部長 堀内朗さん
エンタープライズマーケティング本部 本部長 堀内朗さん

 続けて「ちょうど進路について悩んでいる時期かと思いますが、文系でも理系のマインドが、逆に理系でも文系のマインドが必要になってきており、思考のオーバーラップが求められるようになっています」と、悩める女子中高生たちに語りかけた。

 さらに、NVIDIA本社では英語でのコミュニケーションが求められる。米国本社の人たちも“ファミリー”だという認識を持っているからだ。

 「AIを活用してスマートフォンで通訳を行ったとしても、説得や交渉を行うことはできません。なので、どちらを選ぶにしても英語だけは練習しておいてもらいたいなと思います。若いうちから、英語を使うような体験をしてもらえたらうれしいです」(堀内さん)


 Girls Meet STEMの特性上、筆者は「理系女子(リケジョ)が集まってくるのだろう」と思っていたし、オフィスツアーも「これからは理系の時代だ!」という理系ゴリ押しのノリで行われると予想していた。しかし実際には「理系を選んでも文系を選んでも、どちらでも正解」「どちらのマインドも必要」という内容に終始していた。

 また、どのような活動が好き、あるいは嫌いであったとしても、自分で決めて突き進むことの大切さと、英語力を身につけることの重要性、そして今から取り組んでも遅くないという話を(既に社会人になって数十年経過した筆者も)聞くことができた。

 中学生であれば「どの高校を選んだらよいか?」、高校生であれば「就職に有利な大学はどこか?」など、夏場は進路で本格的に悩む時期ではあるが、自分で選択肢を狭めないこと、いくらでも広げられるということを本イベントで学べたのではないだろうか。

 今回の体験を糧に、参加者それぞれが自分の思い描く方向へ進んでいってもらいたい――そう切に願う筆者であった。

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