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ついに登場した「iPhone Duo」と新CEOが掲げるAI時代の新構想「Intelligent Personal Hub」――Appleが描くAI時代のプライバシーと未来(4/5 ページ)

Appleが発表した初の折りたたみスマホ「iPhone Duo」。しかし今回のイベントの核心は、新CEOのジョン・ターナス氏が掲げた「Intelligent Personal Hub」というAI時代の新たな構想にある。同社が描く未来の「正体」に迫ってみよう。

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折りたたみスマホを再定義する「iPhone Duo」

 ここで改めて、冒頭のiPhone Duoに戻ろう。

 iPhone Duoは世界初の折りたたみスマホではない。それでも、初代iPodや初代iPhoneがそうだったように、折りたたみスマホの新しい時代を告げ、今後登場する製品が参照する基準の1つになる可能性は高い。


さまざまなユースケースに対応した「iPhone Duo」。閉じた状態のスマホスタイル、開いた状態のブックスタイルはもちろん、ノートPCのようなスタイルで使ったり、途中まで開いてデスクカレンダーやデスククロックとして使う機能など、さまざまな使い方を想定している

 まず興味深いのが、その形だ。iPhone Duoは従来の折りたたみスマホと比べ、背が低く、幅が広い。少しずんぐりとしており、閉じた際のボディーサイズは約84.1(幅)×117.8(奥行き)mm、開くと約164.6(幅)×117.8(奥行き)mmとなる。比率は、どちらもほぼ1:√2で、A3やA4などの用紙にも使われる白銀比に近い。

 この比率の面白いところは、半分に折っても縦横比が変わらないことだ。Appleも、5.4型のアウターディスプレイと7.6型のインナーディスプレイが同じアスペクト比になるよう設計したとうたっている。

 この形をAppleが最初に採用したわけではない。Apple発表会の直前(現地時間9月7日)に登場した「Xiaomi 18 Fold」などにも同様の考え方が見られる。

 それでもAppleは、閉じた画面から開いた画面へコンテンツが自然に広がっていく独自のアニメーションを組み合わせ、「なぜこの形なのか」を触った瞬間に理解させる。

 ここは、実にAppleらしい。


開閉するときにぼかしがかかるアニメーションで、本体外側のディスプレイと内側のディスプレイがひと続きであることを直感的に分からせるのはさすがだ

「当たり前」に見える答えほど、見つけるのが難しい

 iPhone Duoの画面アスペクト比には、実用上のメリットもある。横長に構えれば、動画を大きく表示しやすい。雑誌やコミックなら見開きが画面いっぱいに広がる。90度回して縦長に構えれば、今度は1ページを大きく表示できる。

 閉じた状態を通常の縦長スマホへ近づけることを優先すると、開いた時の画面は正方形に近づく。すると、動画では上下、雑誌やコミックの1ページ表示では左右に余白が生まれ、せっかく大きな画面を搭載しても実際のコンテンツ表示は小さくなってしまう。

 Duoを見た後では、「だったら最初からこの比率にすればよかったのではないか」と思えてしまう。

 ここで思い出すのが、Appleで長くデザイン部門を率いたジョナサン・アイブ氏の言葉だ。

 「私たちがやろうとしていることの多くは、『もちろんこうなるよね。他にどんな形があり得る?』と思えるような、必然的な解決策にまでたどり着くことだ。出来上がったものはあまりにも当たり前に見える。しかし、その“必然”を実現することは本当に難しい」(筆者訳)

 まさに、Duoにも当てはまる言葉ではないだろうか。トップが交代しても、Appleのデザインチームや経営陣は、自分たちの基準を満たす答えにたどり着くまで試行錯誤を続け、時には勇気のいる決断も行っている。

 実際、Appleが折りたたみ機器に関する技術を長年研究してきたことは、過去の特許からも分かる。2015年には折り曲げ状態を検知するセンサーを含む関連技術の特許で、今回CEOに就任したジョン・ターナス氏の名前が発明者の1人として記されていたことも、今回改めて話題になった。

 では、AppleがiPhone Duoで示した「折りたたみスマートフォンの基準」とは何なのか。

一芸ではなく「全部」を高い水準に

 折りたたみディスプレイの画質を高め、折り目を目立たなくする。これは各社が取り組んできた当然の課題だ。iPhone Duoも、画面を消して斜めから見れば折り目は分かる。しかし表示中はほとんど意識しない。

 さらにインナーディスプレイにはNano-Texture仕上げが施され、反射や映り込みを抑えるとともに、触れた時にも独特の上質な感触がある。ボディーの仕上げも工芸品のように精巧で美しい。

 重量は約254gと、Galaxy Z Fold8の約201gと比べれば数字上はかなり重い。それでも実際に持ち比べると、数字から想像するほど大きな重量差は感じなかった。手に取った際の重量バランスまで含めて設計されているからだろう。

 製品の動きに自然に溶け込むアニメーションも、使う体験を楽しくする。さらに、多くの折りたたみスマホでは優先順位が下がりがちなサウンドにも妥協がなく、Appleが力を入れる立体音響の空間オーディオにまで対応する。

 さらに、iPadで使われるオプションの「Apple Pencil(USB-C)」にも対応する。

 カメラも48MP Fusionメインと48MP Fusion超広角を備え、メインカメラの高解像度センサーを利用した光学品質の2倍望遠までカバーする。

 一方でiPhone 18 Proのような独立した望遠カメラやLiDARスキャナーは搭載しない。カメラ構成を見る限り、映像制作のための究極の「Pro」機というより、大画面でコンテンツを見たり、読んだり、描いたり、複数のアプリを使ったりする方向に重点を置いた製品だと感じる。

 筆者自身、本格的な映像制作まで行うなら、Duoを持っていたとしても、よりタフにカメラとして使えるiPhone Proシリーズを別に持ちたくなると思う。

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