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10年ぶりの新モデル! 充電式になっても価格据え置き6600円のラベルライター「P-TOUCH CUBE PT-P320BT」を見てきた(2/4 ページ)

ブラザー販売は、約10年ぶりにスマホ連携ラベルライターエントリーモデルの新製品「P-TOUCH CUBE PT-P320BT」を発表した。充電式にしつつ、直販価格は6600円に据え置かれた。発表会レポートと実機インプレッションをお届けする。

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キーボードレスのラベルライターが生まれた背景

 発表会では、ブラザー販売 執行役員の兼広友里恵さんが登壇し、ブラザーの歩みとP-TOUCH CUBE誕生の背景について解説した。

ブラザー販売 兼広友里恵さん
登壇したブラザー販売 執行役員 兼広友里恵さん

 ブラザーのラベルライターは1989年の初代「PT-6」から37年の歴史を持つが、かつては液晶画面とキーボードを備えた「メカメカしく、作業をするための無骨な事務道具」(兼広さん)という位置付けが強かった。

 そもそも、ブラザー工業が開発していた個人向けワードプロセッサー「ピコワード」を使い、ファイリングの背表紙やカセットテープ、ビデオテープのラベルを作成するユーザーがいたことから発想を得て誕生したのが、ラベルライター「P-TOUCH」だった、という背景もある。

ラベルライターの歴史
ブラザーラベルライターの歴史

 しかし、ラベルライターが“無骨な事務機器”である、という常識を打ち破ったのが、2016年に登場した世界初のスマートフォン専用ラベルライター「P-TOUCH CUBE」だ。

 「ラベルライターの命ともいえるキーボードを捨てることには、社内でも議論があった」と兼広さんは振り返る。キーボードを省くことに踏み切った背景には複数の側面があった。

 1つ目は、生活者の入力装置としてスマートフォンが完全に定着したことだ。ハードウェアキーボードより、スマートフォンでの入力を得意とする人が増えたことから、キーボードを省略した。これにより、本体の小型化とシンプルなキューブ型フォルムを実現している。

キーボードレスによる省スペース化
従来の大型キーボード機(左)に比べ、圧倒的にコンパクトなキューブ型を実現した

 2つ目は「ラベル=ダサい作業道具」から「おしゃれな暮らしのアイテム」への転換だ。ラベルライターそのものの無骨さに加え、出力されるラベルは赤や黄色、緑といった、“目立つ”目的にかなってはいるものの、どうしてもインテリアやその場の空間にそぐわなくなってしまう。

ラベルがダサい
スライド内、上半分がインテリアにそぐわないカラーのラベル。確かにこれでは見た目が良くない。下半分は生活になじむカラーのラベルだ

 そのため、ラベルを貼付すれば整理整頓できると分かっていても、積極的に暮らしに取り入れようと考える人が少なかったという。

 そこで、ラベルライターそのものの見た目をコンパクトかつシンプルで美しいキューブ形状にしてインテリアの邪魔をしない、部屋に自然になじむハードウェアに仕上げた。そして出力結果に直結するラベルテープのカラーリングや印字色、テープそのもののテクスチャーなどに工夫を施すことで、“おしゃれな暮らしのアイテム”へと格上げされるようになったのだ。

 見た目だけでなく、品質にもこだわった。熱転写(プリント)層の上に透明フィルムを重ねるブラザー独自の高耐久ラミネート技術をラベルテープに採用している。これにより、擦れや水に強い高品質なラベルを提供し、使い勝手の良さを生み出した。

テープの種類が豊富になり、強い
テープの種類を増やした。本体から排出前に、印字した上にラミネート加工を施している。そのため雨や擦れなどに強い。食洗機にも耐えるので、食器(子ども用マグカップなど)に貼り付けておくこともできる

 また、自社開発アプリ「P-touch Design&Print 2」や専用コミュニティー「Label Place」を通じて、デザイン性の高いテンプレートやフォントを配信している。

 兼広さんは「売って終わりではない、アプリとコンテンツで勝負に出たというのがP-TOUCH CUBEのポイントだ」と解説する。

専用アプリ
専用アプリは自社で開発した
Label Place
ラベル作りを楽しくする「Label Place」サービス。作成したラベルをシェアしたり、テープを消費するごとにポイントをためてラベル作成に向けたコンテンツと交換したりできる
まとめ
P-TOUCH CUBEが支持されているのは、機能面で優れているだけでなく、おしゃれで実用的、かつコミュニティーの存在など、利用が楽しくなる工夫をメーカー側が用意しているからだ

 「ハードウェアメーカーが“出して終わり”ではなく、お客さまと一緒に楽しい世界を作っていく。ビジネスモデルの1つのヒントがあるのではないかと考えている」(兼広さん)

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