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AIの導入から“成果”へ デル新社長のジョン・ロボトム氏が掲げる「日本への貢献」と実行力(1/5 ページ)

デル・テクノロジーズの新社長に就任したジョン・ロボトム氏が記者会見を開催。AI活用における信頼性や人材不足、インフラ整備といった課題に対し、包括的な支援とパートナーとの協力によって日本の経済成長に貢献する方針を示した。

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 デル・テクノロジーズは10月27日、日本法人の代表取締役社長に8月17日付で就任したジョン・ロボトム氏の就任記者会見を開催した。日本マイクロソフトやレノボ、日本AMDで要職を歴任し、約10年ぶりに古巣へ戻った同氏が掲げるのは、デルの強みを生かした日本の経済成長への貢献だ。

 その柱となるのが、AIのビジネス活用だという。日本企業ではAIによる業務効率化が進む一方、売上や利益の向上につなげることが課題となっている。概念実証(PoC)から先へ進み、成果をどう生み出すのか。会見では、データとインフラ、人材、パートナーとの協力を組み合わせ、その実行を支援する方針が示された。

デル・テクノロジーズのジョン・ロボトム社長
デル・テクノロジーズ ジョン・ロボトム社長

約10年ぶりに古巣へ 日本語での対話と日本市場への貢献

 ロボトム氏は、かつてデル日本法人で7年以上にわたりサービス営業部門を率い、リーダーシップチームの一員として事業に携わっていた。その後、日本マイクロソフトの執行役員常務、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズの代表取締役社長、日本AMDの代表取締役社長を歴任した。

ロボトム氏の経歴
ジョン・ロボトム氏の経歴。保守サービスやコンサルティングに携わっていた立場から、ソフトウェアやクラウド、データセンターを中心としたITインフラ、そして半導体の重要性を、それぞれ学んだと語る

 同氏は、クラウド、企業向けインフラ、半導体と、異なる立場からIT市場に関わってきた。今回の復帰については、10年前と比べてデルの事業内容や提供できる技術・サービスが大きく変わったとした上で、「このタイミングで戻れたことを光栄に思う」と語った。

 会見では、自ら日本語で説明に臨んだ。日本の顧客やパートナーとは20年以上にわたる関係を築いており、それを強みとして事業の推進に生かしたいという。

 重視するのは、意思疎通のスピードだ。日本語で直接対話することで、顧客やパートナーとの議論を速めたい考だという。日本語を使えること自体を成果とするのではなく、相手の課題を把握し、具体的な取り組みにつなげる手段として位置付けている。

 「デルの強みを発揮しながら、日本の経済成長にどう貢献できるのか。それが私自身の最大の使命だ」(ロボトム氏)

 では、その貢献をどのように実現するのか。ロボトム氏が会見で多くの時間を割いて説明したのが、日本企業のAI活用の現状と、その先にある課題だった。

業務効率化の先へ AI投資で問われる「成果」

 同社が同日に発表した「Modern Enterprise Readiness Study 2026」によると、日本で生成AI活用の初期・中期段階を脱し、後期段階にある企業の割合は58%だった。2025年の35%から上昇し、アジア太平洋・日本・中国地域(APJC)の平均である61%に近づいている。

次のフェーズへ
AIを導入する初期〜中期段階を経て、成果を出す段階に到達しつつある

 この調査は、調査会社Vanson Bourneを通じて2026年6月に実施された。世界35カ国の従業員100人以上の組織に所属するビジネスおよびITの意思決定者2950人が回答し、このうち日本の回答者は150人だった。

 会見資料で示された日本企業のAI活用用途は、「データ分析・意思決定支援」が55%、「セキュリティ/脅威検知」が48%、「IT自動化・インフラ運用」が44%となった。個人の作業を効率化するだけでなく、経営判断やリスク管理にも活用しようとする動きが見える。

 導入が進めば、AIを評価する視点も変わる。調査では、日本企業の72%が、実証されたビジネス成果と明確なリスク管理計画がなければ、新たなAI施策を進めないと回答した。「AIで何かできそうだ」という期待だけでは、次の投資につなげにくくなっているわけだ。

 では、既に得られている成果は何か。ロボトム氏が会見で取り上げた情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2026」では、AI導入によって何らかの効果があったと回答した企業のうち、「業務が効率化したり迅速化したりした」とした割合は91.6%だった。一方、「売上や利益が向上した」は3.9%にとどまる。これは日本企業全体に占める割合ではなく、AI導入の効果を実感した企業に、その具体的な内容を尋ねた結果である。

 作業時間の短縮という成果は出ている。しかし、それを売上や利益の向上にまで結び付けられている企業は、まだ少ない。

 ロボトム氏は「AIは遊びではない」と述べ、PoCを実施して終わるケースがなお多いと指摘した。その上で、「成果にフォーカスしてどうビジネス効果を出すかが極めて重要だ」と強調する。日本企業は初期のテスト段階から、ビジネス成果への貢献度を高める段階へ入ったという認識だ。

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