総合評価コメント

　バイオノートと言えば、パーソナルな楽しみをサポートするエンターテイメント性の高さがイメージとしてある。本機にも、そうしたバイオシリーズを支えるオリジナルソフトウェアが多数バンドルされているが、製品としての本質は、まじめな実用指向の高さだろう。デザインだけを見ると、カタチだけを最優先させた機種のように見えるが、実用ノートPCとしての実力も高い。→レビュー本文

評価のポイント

DVD-ROM & CD-R/RWコンボドライブを内蔵する14.1型クラスの製品としては、最軽量を誇る。軽量化のために機能を落とした部分も見受けられない。しかし本機は筐体手前の先端部こそ薄いものの、奥に行くに従って楔形に厚くなり、39mmまで膨らんでしまう。

Pentium M 1.3GHzのパワーは十分。上には上もあるが、Pentium Mはビジネスアプリケーションやブラウザなどの一般ソフトウェアが高速であり、遅さを感じることはほとんどない。ATI Mobility RADEONに関しても、3Dゲームなどをしない限りは不足を感じないだろう。ただ、ライバルが上位のグラフィックチップを搭載する中では多少見劣りする。

見た目は奇抜だが、堅牢性は高い。アンダーシャシーは一体成形のマグネシウム合金製で、先端が細くなるデザインにも関わらず、パームレスト部でも十分な剛性がある。ただ、ラッチレスのヒンジメカはアイデアとしては面白いが、液晶パネルを開ける際の抵抗ともなっており、両手を使わなければならず、実質的なユーザーのベネフィットに繋がっていない。キーボード剛性は非常に高いものの、ストロークの短さと底突き感の強いタッチは好みが分かれるだろう。

光学ドライブは固定式で、PCカードも1枚のみ（メモリースティックスロットは別途搭載）。IEEE1394ポートは備えており、ポートリプリケータもオプションで用意されてはいるが、本機の属するカテゴリの中では拡張性は高いほうではない。HDD交換も容易に行える構造にはなっていない。

Pentium Mとそのチップセットの省電力性能もあり、14.1型クラスとしては長めの駆動時間を誇る。実働で4時間が目安となるだろう。省電力設定が非常に細かく行えるのも長所だ。標準比1.5倍の大容量バッテリパックも用意されている。

ベンダー製品担当者からの一言

「バイオノートZ」は高機能、実用性そしてデザインのすべてにこだわった、持ち歩きできるメインPCです。モバイル可能な最大のサイズと考える14型の液晶サイズにメインマシンとして有効に使える高解像度のSXGA+を採用。使い勝手もさまざま工夫しました。同時に、「パーソナルなもの」ということも考慮し、個性的なフォルムの本体に「持つ喜び」や「ものとしての美しさ」を重視。この2点が商品の特徴となっています。バッテリ駆動時間が最大約7時間と長いのに加え、駆動音を抑えた設計になっているので、リビングルーム、書斎、外出先と活躍の場も自由に広げられる1台です。（ソニー　ITカンパニー　企画部　皆川 裕美子）

スペック

[本田雅一, ITmedia]

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