総合評価コメント

　重さ、パフォーマンス、バッテリ性能。いずれも秀でた部分はないが、セカンドグループには必ず入る。薄さが特徴とも言えるが、筐体裏面は凹凸が多く、スマートとは言えないのが残念。一方で、周辺機器接続用のコネクタ類が豊富で、xD-ピクチャーカード以外のすべてのメモリカードを扱え、さらにはデュアルバンド無線LANを装備するなどスペック面では非常に充実している。Pentium Mの登場で、スペック面での魅力はやや色あせた感もあるが、電源アダプタ不要のDVD-ROM & CD-R/RWコンボドライブが付属するなど心惹かれる部分もある。バッテリ構成や変形のキーボードが許容できるならば、お買い得度の高い製品である。→レビュー本文

評価のポイント

12.1型液晶パネル、4セルバッテリ搭載で1.1kgちょっとの重さは、なかなか魅力。ただし、下面の凸凹や前部足が出っ張ってる点はスマートさに欠ける。特に前部のゴム足はバッグへの出し入れで取れやすい。

超低電圧版モバイルPentium III-Mの933MHz版は、決してパフォーマンス的に大きく劣るわけではない。統合型グラフィックスの「Trident CyberALADDiN-T」のパフォーマンス、1.8型30GバイトHDDも若干の不満が残るところだ。54Mbpsの802.11aをサポートするデュアルバンド無線LAN内蔵は良いところ。

薄型ながら、本体の剛性は十分で不安はない。しかしキーボードは極端に縦方向のピッチが詰められ、横19mmに対して縦は17mmほどしかない。このアンバランスさが最大の難点。ライバルの「Let'snote LIGHT T1」も同様に縦ピッチが詰まっているが、LaVie Jの方が極端にその傾向が強い。

ポートリプリケータなどの専用周辺機器はないが、8セルの大容量バッテリは用意されている。本体から給電可能な外付けDVD-ROM & CD-R/RWコンボドライブが付属していたり、専用の高速バス接続でSDメモリーカード、MMC、スマートメディア、メモリースティックが利用できる点、コンパクトフラッシュType IIスロット、USB 2.0ポート×3、IEEE1394ポートを装備など、本体に装備されたインタフェース類は充実している。

スペック上の数値は1セルあたり1時間ほどで、12.1型クラスのモバイルPentium III-M搭載機としては好成績の部類に入る。だが、本機の標準バッテリは4本。デュアルバンド無線LAN内蔵という特徴を活かすためにも、より大きなバッテリが欲しいところ。そうしたニーズに応えるため、8セルのバッテリパックが用意されている。ただ、18mm径のバッテリ1本分奥に出っ張ってしまうのが難点。大容量バッテリ搭載時の奥行きは、14.1型クラスのノートPC並になってしまう。

ベンダー製品担当者からの一言

　「LaVie J」は、軽さ、筐体サイズ、バッテリ駆動時間、機能/性能、堅牢性を高次元でバランスさせた、しっかり使えるモバイルパソコンを目指して商品化しました。802.11a/bデュアル対応ワイヤレスLAN等の通信機能およびインターフェイス類の充実、さらには電源アダプタ不要の光ドライブ等により、外出先でも不自由なく快適にご利用いただける使い勝手の良いモデルとして満足いただける商品だと考えております。（NECカスタマックス　マーケティング本部　商品企画部　新井 良和）

スペック

[本田雅一, ITmedia]

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