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キーボードをどう見るかが鍵

これだけ多くのポート類が装備されていると、本体の剛性は落ちやすい。ましてや、薄型化を目指した本機ならばなおさらのこと。しかし、本体部の剛性は意外なほど高い。液晶パネル裏も、多少たわみはあるものの、アルミハニカム構造が有効だったのか、不安感を感じることはないはずだ。
本体を裏返してみると、無線LAN用のミニPCIカードを装着したエリアがタッチパッド下部に突き出ており、それを支えるために結構な高さのあるゴム足がせっかく薄型化してある先端部から伸びているのは残念だ。部品配置に合わせてアンダーシャシーを造形しており、あちこちが凸凹になってしまっている。ゴム足は高さがあるだけに引っかかりやすく、バッグへの出し入れで落としてしまったこともあった(強めの接着剤で取り付けておけば問題はないだろうが)。

筐体裏面の凹凸を均すため、計6箇所にゴム付きの足が取り付けられている(クリックすると拡大します)
スペックのすばらしさとは裏腹に、筐体の細かなデザインに関しては、改善を求めたい部分は色々とある。しかし、インタフェースポートやカードスロットの充実度を優先するならば、それらを許容できるというバイヤーは少なくないだろう。ACアダプタなしで動作するコンボドライブが付属しつつ、お買い得な価格設定はなかなか魅力的である。
ただ、キーボードとタッチパッドの操作性に関しては、購入前に使用感を確認しておいた方がいい。
最近は薄型化を推し進めるが故、コンポーネントを重ねて配置する余裕が無くなり、結果としてキーボードの縦サイズを詰めて対処する機種が増えてきた。本機も、昨年登場した先代モデルから縦ピッチを詰めたキーボードを採用している。
フォームファクタを縮小するためには、ある程度は致し方ない部分もあるが、それにしても本機の縦ピッチは極端に狭い。横方向のピッチは19mmとフルサイズを維持しているが、縦方向は約17mmしかないのだ。また、隣のキーとの隙間も狭めで、縦ピッチの詰まりとともに、デスクトップ用キーボードなどと併用していると、かなり強い違和感を感じる。慣れれば問題ないとは言え、改善を求めずにはいられない。

横方向のキーピッチは19mmとフルサイズだが、縦方向は約17mmしかない(クリックすると拡大します)
もう1点、タッチパッドのドライバ設定に、ちょっとした癖がある。タッチパッドの多くには、キー入力中のタップを抑制する「パームチェック」という機能が付加されている。キー入力しているときに、あらぬ場所にカーソルが移動しないようにするためだ。ところが本機のドライバは、なぜかタップだけでなく、すべてのパッド入力をオミットしてしまう。
このため、キー入力直後にカーソルを動かそうとしても、全く動かないといった状況になってしまう。ソフトウェアの問題だけに、将来的な改善も見込むことは可能だと思われるが、購入を検討しているユーザーは知識として知っておくといいだろう。
後ろの出っ張りを気にしなければバッテリ性能は良

一方、モバイルPCとして重視されるべきバッテリ性能は、Let'snote LIGHTシリーズほどではないにしろ、かなりの省電力性を誇る。標準の4セルバッテリで気をつければ4時間近く、あまりバックライトの明るさをケアせず、無線LANを使いながらでも3時間は使える。
しかも2倍容量の8セルバッテリも用意されているので、6時間以上はバッテリ残量を気にせず使える環境を作り上げることが可能だ。ただし、1つだけ条件がある。それは多少不格好なカタチでしか、大容量バッテリを実装できない点。
本機のバッテリスロットは、2列2段の構成になっており、8セルではこれが2列4段。つまり、奥行きに対して2本分のバッテリが飛び出ることになる。底面積を12.1型機の限界近くまで詰めてある本機の場合、この出っ張りは意外に目立つ。横幅と奥行きが同程度となり、奥行きはA4ファイルサイズ機並になってしまうのだ。
バッテリが無ければ、出先で自由にPCを使えないことを考えれば、多少の不格好さを許容してでもバッテリ容量を重視したいところだが、もう少しスマートな実装であればと悔やまれる。
本機は冒頭でも述べたように、インタフェース類の充実度が群を抜いており、まさに何でもアリ。付属ドライブの利便性や価格を鑑みて、キーボードにある程度の妥協ができるかどうかが選択のポイントとなる。 [本田雅一, ITmedia]
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