総合評価コメント

　エプソンダイレクトの「EDiCube R855H」は、高速な処理速度を誇るとともに、実売価格で約16万円（2003年4月時点）という普及価格帯を実現している製品だ。搭載されている15型液晶は、最大1,400×1,050ピクセルの解像度を持っている。広いデスクトップ画面で作業が行えるのも、評価ポイントとなるであろう。付属ソフトは必要最低限となってしまうが、それもユーザーのニーズ次第。すでに必要なソフトを所有しているのであれば、むしろ歓迎すべき構成といえる。ノートPCとしての基本性能を重視し、シンプルに設計された製品だ。→レビュー本文

評価のポイント

筐体外面は、反射を抑えたシルバーメタリック。大画面液晶の割には堅牢な作りとなっている。本体内面はベースカラーが濃紺で落ち着きのある雰囲気。全体的にみて、飽きのこないシンプルなデザインに仕上がっている。336（W）×274（D）×38（H）mm、重量約3.0kgというサイズは、オールインワンノートの中では小さめといえるが、やはり携帯には適さない。

CPUにモバイルPentiumu 4-M 2.0GHzを搭載しているだけあって、処理速度はさすがに高速である。ベンチマークテストの結果も、かなりの好成績といえる。ただし、3Dグラフィックス性能はさほど高くはない。専用のビデオRAMも用意されていない（ビデオRAMはメインメモリと共用）。

15型液晶は、最大SXGA+（1,400×1,050ピクセル）の大画面を表示可能。デスクトップを広く使えるのも本製品の特長だ。通信機能は、モデム、Ethernet、無線LANに加えて赤外線通信を装備。キーボードの操作性は極めて良好であるが、タッチパッドは少し使いにくさを感じる部分もある。

メモリは最大768Mバイトまで拡張可能。交換用バッテリには、標準装備しているバッテリと同じものが用意されている（オプション）。光学ドライブは固定式で交換不可。インタフェースはなかなか豊富で、USB 2.0×4、IEEE1394×2、PCカードスロット、パラレル、外部ディスプレイ、Sビデオ出力、S/PDIF出力など、基本はすべて押さえている。

付属ソフトは必要最小限で、「Norton AntiVirus 2003 OEM版」「B's Recorder GOLD/B's CLiP」「WinDVD」「Symphomovie」が付属する程度。既にひととおりのソフトを所有している場合は大した問題ではないが、そうでない場合は少し物足りなく感じるかもしれない。

2003年4月時点での直販価格は15万9,800円。モバイルPentiumu4-M 2.0GHz、15型液晶搭載マシンとしては、かなりお買い得感のある製品である。無線LAN、DVD-ROM ＆ CD-R/RWコンボドライブも標準装備しているので、コストパフォーマンスは抜群。

ベンダー製品担当者からの一言

　EDiCube R855Hは大画面、充実した基本性能に加え、ワイヤレスLANも標準搭載した2スピンドルノートPCです。SXGA+対応ディスプレイ、モバイルPentium 4-M 2GHzを搭載しながらも16万円を切る価格を実現することで、高性能を多くのお客様にご提供したいと考えております。（エプソンダイレクト　カスタマーケア部　寺川 暢俊）

スペック

[相澤裕介, ITmedia]

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