総合評価コメント

「バイオC1 PCG-C1MZX」は、ビデオカメラ付きミニノートPC「バイオC1シリーズ」の最新モデルとなる製品だ。ただし、市場からすでに姿を消しつつあるようで、大型ショップでも“在庫なし”となっている場合が多い（2003年4月現在）。TV番組の録画/再生機能を備えた「Giga Pocket」、内蔵ビデオカメラによる動画や静止画の撮影など、従来のバイオC1シリーズの特長はそのまま引き継がれている。パソコンとしての基本的なパフォーマンスは他のミニノートPCと同等レベルであるが、約60GバイトのUltra ATA/100対応HDDを採用するなど、部分的に優れている点もある。通常のミニノートPCとして考えれば、コストパフォーマンスはあまりよくない。しかしそれは、バイオC1 PCG-C1MZXを通常のミニノートPCとして捉えようとするからで、これだけAV機能が充実していれば、ある程度高価になってしまうのは仕方がないだろう。ニーズとマッチしていれば、非常に満足感を得られる製品だ。→レビュー本文

評価のポイント

ミニノートPCとしては若干大きめのサイズで、重量はギリギリ1kgを切る程度。デザイン的には、やはり液晶上部に内蔵されたビデオカメラ「MOTION EYE」に目を奪われる。ポインティングデバイスの左右ボタンとスクロールボタンが円筒形になっているのも、ソニーらしいこだわりを感じさせるデザインだ。

「Crusoe TM5800 933MHz」を中核としているため、処理速度はあまり高速ではない。外出先で軽めの作業を行う程度と考えるのがよいだろう。とはいえ、「Giga Pocket」で録画したMPEG2動画の再生くらいは難なく行える。また、ハードウェアエンコーダを搭載しているので、TV録画もコマ落ちしない。

ミニノートPCである以上、B5/A4ノートPCクラスの快適性を求めるのは厳しい。しかし、キーボードは比較的大きめ（キーピッチ17mm）に作成されているようなので、慣れてしまえば高速なタイピングも可能である。ポインティングデバイスはスクロール機能対応のスティック式、さらにジョグダイヤルを装備している。こちらも慣れ＆カスタマイズにより、快適な操作環境を作り出してくれる。

本体に装備されているインタフェースは、USB 1.1×1、IEEE1394、PCカードスロット×1、マジックゲートメモリースティックなどであり、あまり多くはない。しかし、標準付属のポートリプリケータを接続することにより、AV関連のインタフェースが一気に充実する。通信機能は、モデム、Ethernet（ポートリプリケータ）、無線LAN（付属のPCカード）の3種類を装備。

11.1V、1,800mAhのバッテリパック（S）が付属する。Crusoeマシンとして考えると、約2.5時間（JEITAバッテリ動作時間測定法の値）の駆動時間は短めといわざるを得ない。オプションのバッテリパック（L）では約5時間、バッテリパック（LLL）では約9時間、連続駆動できる。

ベンダー製品担当者からの一言

　バイオC1 PCG-C1MZXは、こんなにコンパクトで持ち歩きやすい大きさでありながら、スローシャッター対応の内蔵型ビデオカメラ、MOTIONE EYE搭載によりビジュアルコミュニケーションの楽しみが実現でき、さらに、MPEG2-R-Engine搭載により、高画質MPEG2を快適に扱うことができるため、GigaPocketによりTVの楽しみを持ち歩いて楽しむことができます。映像も自由自在のマルチパソコン。バイオC1でエンタテイメント充実な生活をお約束いたします。（ソニー ITカンパニー 企画部 山下 美希）

スペック

[相澤裕介, ITmedia]

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