> レビュー 2003年5月28日 11:59 PM 更新

プロの定番高級機をデジタル化「1」の称号を与えられた実力
キヤノン EOS-1D(3/3)


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EOS-1D:作例

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  • 作例01「氷川丸」


<撮影データ>使用レンズ:EF24-70mm F2.8L USM、焦点距離:70mm、マニュアルモード(F22、1/50秒)、EV補正なし、ISO感度:100、WB:太陽光(オリジナル画像はこちら

 鯉のぼりが舞い泳ぐ、小春日和の横浜・山下公園。絞り込んでパンフォーカス風に。でもじつはMFで煙突部分にピントを合わせている。晴天だったのでWBを太陽光としたが、やや浅く眠たい印象の色乗りになってしまった。1Dらしさともいうべきシャープ感が足りない。三脚を使用しており、同じ絵柄でAF も試したが、作画内容はやはり同様にパキッとしていなかった。

  • 作例02「携帯電話」(RAWファイル)


<撮影データ>使用レンズ:EF24-70mm F2.8L USM、焦点距離:70mm、絞り優先AE(F2.8、1/80秒)、EV補正なし、ISO感度:400、WB:6100K(オリジナル画像はこちらからダウンロードしてください)

 JPEGと同時記録のため、WBにこだわってみた。ミックス光の光源下で蛍光灯モードでも電球モードでもしっくりこなかったため、マニュアルで色温度を6100Kに設定。絞りを開放にしたので被写世深度は狭い。しかしONE SHOT AFでバシッとピントが合ってくれた。AFの性能を思い知らされた1枚。相手が静物だと緊張感が要らないので助かる。精神的にゆとりを持てるし、落ち着いて手ぶれも減るというものだ。

  • 作例03「モデル中村友里子」


<撮影データ>使用レンズ:EF300mm F4L IS USM、焦点距離:300mm、絞り優先AE(F4、1/90秒)、EV補正なし、ISO感度:320、WB:くもり(オリジナル画像はこちら

 天候の悪条件を逆手にとって、しっとりとした絵を撮ろうと思った。あいにくの雨天ながら、窓からの採光が明るい室内だったのでWBはくもりモードに。ISOは200と400の間をとって320にした。モデルの表情、そしてシャドー部の色合いが「雨の日の雰囲気」を醸している(気がする)。

 カメラの描写力が高いので、手ぶれに全神経を注いだ。もちろん、モデル自身も動きが止まってくれている一瞬にねらいを定める。しかし光量不足からだろうか。右の瞳の黒目部分に合わせたつもりのAFがわずかに合っていない。画質モードはJPEGラージファインだが、髪のシャドー部の解像感も少し沈んでしまった。

  • 作例04「ワーゲンゴルフ」(RAWファイル)


<撮影データ>使用レンズ:EF24-70mm F2.8L USM、焦点距離:54mm、絞り優先AE(F2.8、1/3200秒)、EV補正なし、ISO感度:400、WB:くもり(オリジナル画像はこちらからダウンロードしてください)

 風変わりなボディカラーのクルマ。難しい色と思われたが、1Dは見事に現実の色に忠実な仕事をしてくれた。これはすべてに渡って文句なし。WBは「くもり」でばっちり。ONE SHOT AFもばっちり。カラーマトリックスは1だが、この色味もこのシチュエーションにはばっちり。雨のぱらつく曇天だったので絞りを開放としてみたが、シャッタースピードが速くなり過ぎてしまった。もう少し絞ってもよかったかもしれないが、結果的にはこれでいいと思う。1Dの作画はやはり明るく表現してくれる傾向だ。

[島津篤志(電塾会友), ITmedia ]

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