> レビュー 2003年8月6日 11:33 AM 更新

図鑑で調べて双眼鏡でパチリ――ペンタックス「DIGIBINO DB200」(3/3)


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 付属のSDメモリーカード(16Mバイト)に収録されており、再生モード時にMENUボタンを2秒間押し続けると、野鳥図鑑モードになる。日本国内で一般的に観察可能な野鳥は約100種類いるといわれているが、日本野鳥の会監修で作成されたこの野鳥図鑑には、そのうち53種類の野鳥データが収録されている。


「野鳥図鑑」は付属のSDメモリーカードに収録

 観察できる環境(市街地/森や林/水辺/草地)ごとに、野鳥の大きさの目安(スズメ/ムクドリ/ハト/カラス/カラス以上)で分類されており、名前が分からない野鳥でも、見つけた場所やその大きさで候補を絞り込むことができる。「スズメぐらい」「カラスより大きい」など、よく知られた鳥(“ものさし鳥”というらしい)で大きさを比較するのは、野鳥観察の世界では一般的らしい。

 また、野鳥データには画像や解説のほかに鳥の鳴き声も収録されているので、見た目だけでなく耳からも野鳥探しができる。


野鳥データには画像や解説のほかに鳥の鳴き声も収録

 このように、「バードウォッチングに使ってください」的な機能を見せられたからには、いくら真夏とはいえ、レビューの場所は決まったようなもの。というわけで、東京都大田区にある「都立東京港野鳥公園」に出かけた。

 筆者は、あまり野鳥の名前を知らないので、これまでは野鳥公園などに行ってもいまいち楽しめなかった。だがDB200では、まず双眼鏡をのぞいて野鳥を探し、見慣れない野鳥を見つけたら、上部の液晶ディスプレイで野鳥図鑑を起動。

 場所や大きさから野鳥の種類を特定し、気に入ったら撮影も簡単にできる。このようにバードウォッチングの一連の動作がスムーズに行え、野鳥観察が数倍楽しくなるのだ。今回はDB200を使って、1時間弱で10種類以上の野鳥を観察・撮影することができた。


コサギ(中央)とカルガモ(左右)。1/500秒、F4、ISO100

 10種類以上も野鳥を撮影したのに、なんで上の写真しかないのか。正直に言うと「撮影に失敗した」のだ。64MバイトのSDメモリーカードに150枚以上も撮影したのに、まともにピントが合っていたのは上の写真を含む3枚だけというお恥ずかしい結果。撮影から帰宅してPCに画像を取り込んだときに、あまりのショックにしばらく“固まって”しまった。

 もともと双眼鏡生まれのDIGIBINOは、撮影前に「視度調整」というのが必要だったのだ。DIGIBINOは、双眼鏡レンズからの映像とは別にもう一つ、デジカメ用レンズを中央に搭載している「3眼レンズ」方式で、双眼鏡とデジカメのピント調節を機械的に連動させている。

 そのため、視度調整をしっかりしておかないと、双眼鏡の見た目ではピントが合っていても、撮影画像はピンボケになってしまう。デジカメのオートフォーカス気分で撮影してたため、起こった悲劇だ。


「3眼レンズ」方式で双眼鏡とデジカメのピント調節を機械的に連動させているDIGIBINO。視度調整は欠かせない

 気を取り直して、近所の公園で撮影し直した。


1/500秒、F4、ISO100。被写体にピントがしっかり合って、背景もキレイにボケている。だが、野鳥といってもハトじゃねぇ……


1/250秒、F4、ISO200。130万画素のDB200は、300万画素以上が当たり前となっているデジカメの世界ではロースペックだが、被写体にぐっと近寄れる高倍率レンズが画素の少なさを補完している


DIGIBINOの被写体は野鳥だけではなーい、ということで甲羅干しをしている亀です。人が近くにいないせいか、足を伸ばしてリラックス。1/500秒、F4、ISO100

 「秋から冬が、バードウォッチングには最適な季節」という人も多い。寒い季節が近づくと山に食べるものが少なくなって山の野鳥が人里まで降りてくるためと、渡り鳥が越冬のため日本に飛来するためだ。また、緑生い茂る夏は野鳥たちをなかなか探せないが、木の葉が少なくなる秋以降は双眼鏡などでも見つけやすくなる。

 これから本格シーズンを迎えるバードウォッチングやスポーツ観戦などに、DB200は大いに活躍しそうだ。



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[西坂真人, ITmedia ]

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