カシオ計算機 QV-R40――高速・高レスポンス性がウリの400万画素3倍ズーム機(3/4)
画質についてはどうだろうか? 端的に言うと、写真にそれほどこだわりを持っていない一般家庭ユーザー向けの画質といえる。 まず、全体にノイズが目立つ傾向にあること。特にISO感度を「オート」にしておくと、ちょっとした日陰や室内でもすぐにゲインアップし、てきめんに画像が荒れてしまう。感度をISO80に固定しておき、できるだけ明るい場所で撮影するのがキレイに撮るポイントだ。
雲の描写はシャープで、立体感も十分に出ている。しかしこれはいっぱいに絞りこんだ状態なので、これ以上明るいと白飛びがキツくなる。手前の樹木が黒くつぶれるのは致し方ない【撮影データ:2304×1712ピクセル/Fine(JPEG)、8.0ミリ(39ミリ相当)、プログラムAE(F4.8、1/2000秒)、分割測光、WB:オート、ISO80】(オリジナル画像はこちら)
日陰で動き回る子供を撮影。約30カット撮って、まあまあピントが来たのが10カットほど。もっと精度を上げてほしいところだが、このクラスでは標準的だろう【2304×1712ピクセル/Fine(JPEG)、8.0ミリ(39ミリ相当)、プログラムAE(F2.8、1/60秒)、分割測光、WB:オート、ISO80】(オリジナル画像はこちら)
ISO感度をオートにすると、日陰ではすぐにゲインが上がる。シャープネスの強さと相まって、肌がざらざらになってしまうのがツライ。肌を滑らかにしたいなら感度はISO80に固定すべきだが、そうするとシャッター速度は長くなる。悩みどころだ 【2304×1712ピクセル/Fine(JPEG)、24.0ミリ(117ミリ相当)、プログラムAE(F4.9、1/125秒)、分割測光、WB:オート、ISO:オート(ISO160)】(オリジナル画像はこちら) また、シャープネスが強すぎる点も気になった。シャープネスが強いと輪郭がはっきりし、キレイに見えることが多い。しかしよく見ると、輪郭に明暗が付き過ぎていて補正が効かない。ノイズも目立つ。レタッチにあまり向いていないデジカメと言えるだろう。なお、女性や子供の肌など滑らかに表現したい被写体の場合は、メニューにあるシャープネス設定を「ソフト」にすれば、いくらか救われるだろう。 そして色。ムラサキ色の花などは明らかな色転びが発生した。人肌などはほぼ正しく再現しており違和感はないが、いざという時に心配だ。彩度のコントロールがうまくないのだろうか。
シャープネスが強いカメラは、こういった機械ものの撮影が得意。エキゾーストパイプを高い質感で再現してくれる【2304×1712ピクセル/Fine(JPEG)、8.0ミリ(39ミリ相当)、プログラムAE(F2.8、1/400秒)、分割測光、WB:オート、ISO80】(オリジナル画像はこちら)
逆光で花をマクロ撮影。シャープネスの強さがここでは良い方向に影響し、花びらを通過する光の質感を見事に描写した。なおマクロモードは39〜46ミリで、ほぼワイド端固定【2304×1712ピクセル/Fine(JPEG)、マクロモード8.0ミリ(39ミリ相当)、プログラムAE(F4.8、1/1000秒)、分割測光、WB:オート、ISO80】(オリジナル画像はこちら) このように、画質についてはいろいろと弱点もあるが、カメラにとって最も大切な“ちゃんと写っている”という面で見れば、けっして悪いカメラではない。むしろ秀でた部分も多い。撮ろうと思った時にシャッターを押せなければ、何も写らないのだから。「一家に1台、あってうれしいデジタルカメラ」という意味では、QV-R40は悪くない選択と言えるだろう。 [西尾淳(Windy Co.), ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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