> レビュー 2003年8月28日 02:10 PM 更新

記録型DVDから見た「Easy CD & DVD Creator 6」(4/5)


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 通常のDVD作成(オーサリング)では、ここでメニューを変更したりできるのだが、リアルタイムレコーディングの場合には、ほとんど選ぶ余地はない。せいぜい、(ディスクに空きがある場合には)次のタイトルを追加できるという程度だ。もっとも、これはファイル構造がDVD-Videoに準じている以上、仕方がないことかもしれない。

 録画したDVD+RWのフォルダ構成を見ると、「AUDIO_TS」「VIDEO_TS」というDVD-Videoでおなじみのフォルダが見える。「VIDEO_RM」というフォルダも作成されていたが、この中身は空であった。


DVD+RWのフォルダ構成を見てみる

 ちなみに、「VIDEO_TS」フォルダの中身は以下のようになっている。


VIDEO_TSフォルダの中身

 DVD+RWについて書かれた情報を見ると、DVD+VRレコーディングはDVD-Videoと互換性が高いのがウリとなっているようである。確かに、このように録画されたものがそのままDVD-Video機器で再生できれば、オーサリング要らずなので便利だ。

 そこで、果たしてそのまま再生できるかどうかを実際に試してみた。環境はソニーのプレイステーション2と東芝のDVDレコーダー(XS-30)である。結果は、どちらでも再生できなかった。東芝といえばDVDフォーラムのメインともなるメンバーだからこれは致し方ないところか。一方、プレイステーション2も発売当日に購入した、いわゆる初期型なのでこれもDVD+RWにとっては少々難題だったかもしれない。

 しかし、ファイル構造はDVD-Videoと同じのように見えたので、DVD+VRレコーディングしたものをDisc Copierを使用してDVD-Rに焼いてみた。すると、今度はXS-30の方ではうまく再生できた。データ自体は問題ないようである。

 ところが、プレイステーション2では映像は出るものの音声は再生されなかった。

 原因をいろいろ考えてみたが、どうやらこれは音声トラックに問題がありそうだと。そう思ってFlaskMPEGで音声のトラックを調べてみると……案の定、音声がMPEG-1のLayerIIで記録されていた。

 DVD-Videoでは、標準音声として規定されているのはリニアPCM(LPCM)とドルビーデジタル(AC-3)であり、MPEG-1のLayerIIはオプションで認められているだけなので、これのみを音声として使用していると、プレーヤーによってはきちんと再生できないものもあるようだ。

 だが、AC-3はライセンス料の問題があるためか搭載しているDVDオーサリングソフトは少ないのが現状。今でもMPEG-1 LayerIIのみでも再生できるプレーヤーは多い、これを考えれば、今後は事実上、この記録形式で問題なくなっていくのかもしれない。

 DVD BuilderはDV機器からのリアルタイムレコーディングしかできないのが弱点だが、DVカメラで撮影した素材をいちいちAVIファイルとして取り込んでオーサリングやMPEG2への変換を行ってからDVD-Videoに焼くのが面倒くさいと思う人(かなりいるのではないだろうか)には、とにかく手間いらずでDVD-Videoという形に持っていけるだけでも結構便利だろう。

唯一の難点だった「VIDEO_TS非対応」も解消する予定

 最近ではCreator6に含まれているソフトだけで、記録型DVDやCD-R/RWへの書き込み作業はほとんど済むようになってしまったが、いまだに他のライティングソフト──具体的にいえば「Nero」が必要なことがある。

 なぜNeroが必要かというと、それはCreator ClassicがハードディスクにリッピングしたDVD-Video(家庭用DVDレコーダーで作成したもの)の書き込みに対応していない(IFOファイルの位置が変わってしまう)ことが問題となるからだ。PCで再生する場合には、この程度の差はあまり問題とならずに再生してしまうようだが、DVDプレーヤーで再生しようとするとうまく表示されないことがある。

 仕方がないので、ファイルを書き込み時にキチンとファイル名をチェックし、並べ替えてくれるNeroを使っているというわけだ。Neroは書き込み時に妙なエラーを生じることがあるため、筆者は必ずしも使いよくはないと思っているのだが、VIDEO_TSの中身をキチンと書き込めるというその一点のみで使用しているようなものだ。

 しかし、近日登場する予定のEasy CD & DVD Creatorのバージョン6.1ではこの種の問題もクリアになるという。このバージョンではVIDEO_TSを正式サポート(今まではサポートを表明していなかった)するため、VIDEO_TS内のファイル名のチェックや並べ替え、1Gバイト以下のデータである場合にはダミーデータも書き加え、ディスクアットワンスで書き込むようになるようだ。

 すでにバージョン6を使っているユーザーに対しても、対応パッチがWebで無償公開されるとのことである。

パケットライトを身近にするDrag-to-Drop

 ライティングソフトが、いかにも「これから書き込むぞ」という手順を踏んで書き込むのに対して、パケットライトのDrag-to-Dropはもっとシンプルである。

[河野寿, ITmedia ]

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