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東芝のビジネス市場向けノートPCの構成を解説する（1/2）

東芝のビジネス向けノートPCは、初代のSSから名を受け継ぐシリーズのほか、Satelliteシリーズ、そしてCシリーズがある。各シリーズの特徴と位置付けを解説する。

DynaBookで始まったノートPCの歴史

　1985年4月、東芝は世界初のラップトップPCを発表し、初代T-3100が1986年1月に登場。その後1989年6月、豊富な自社開発パーツとソフトウェア開発技術を背景に、ラップトップPC「J-3100」シリーズで日本、そして世界のポータブル市場を席巻していた東芝から、画期的な製品が登場した。「J-3100 SS001」は、シリーズ名こそJ-3100と付けられていたものの、それまでよりも明らかにコンパクトで薄い、ノートブックPCというカテゴリを生み出した。

　そのJ-3100 SS001に愛称として付けられたのが「DynaBook」だ。DynaBookはゼロックス・パロアルト研究所のアラン・ケイ氏によって提唱された、究極のモバイルコンピューティングを実現するための製品コンセプト。東芝はケイ氏に初代のDynaBookを見せ、世界初のノートPCとなったSS001にDynaBookの名を使う許可を得たという。以来、東芝は日本で発売するノートPCにDynaBookの名称を使用。特に携帯性の高い製品には、DynaBook SSと名付けてきた。

J-3100 SS001

　その後1997年に、ワールドワイドのノートPCブランドをカテゴリごと、ワールドワイドで統一する方針を打ち出した。最新技術を投入し、ノートPCというカテゴリの範囲で最高の性能と機能を目指したTECRAシリーズ、コストパフォーマンスに優れたビジネス向けメインストリーム機のSatelliteシリーズ、携帯性やバッテリー持続時間などモビリティ性能を重視したPORTEGEシリーズの3シリーズがそれだ。

　なお日本においては、「DynaBook」ブランドの浸透が根強いため、ノートPCの原点である「DynaBook」という名称を引き続き使用。2003年1月に発売した「DynaBook」新モデルより、「dynabook」という“モバイル＆ワイヤレス”を意味する新しいシリーズ・ロゴを採用している。

東芝のビジネスノートPCを象徴する代表機種dynabook SS

　東芝のビジネスノートPCをある意味代表しているのは、初代機と同じ名称が与えられているdynabook SSシリーズである。前述したようにdynabook SSシリーズは代々、最高峰のモバイル技術が投入されており、そこにはシンプルながらも東芝の技術力が反映されている。

　現行dynabook SS 2110は、省電力性とワイヤレス性能の高さで新世代のモバイルコンピューティングを実現させるインテルのCentrinoモバイルテクノロジを採用。14.9〜19.8ミリ、1.09キロという超薄型・軽量のボディながら、全面にマグネシウム合金、バスタブ構造のシャシーとすることでビジネス機として不可欠な頑強さ、剛性の高さを持つ。

　こうした携帯性を重視した機種では、とかくキーボードの質感など、PCとしての基本的な使いやすさを決定する部分で妥協した製品が多い。しかし現行機のdynabook SS 2110は、非常に質の高いタッチと自然なキーレイアウトを持つ19ミリフルピッチの使いやすいキーボードが搭載されている。

　さらに薄型・軽量化を支える専用の低温ポリシリコン液晶パネル、小型・軽量化と省電力、それに高い耐衝撃性を誇る1.8インチHDDを採用するなど、東芝が所有するPCの技術を集めた製品であり、ある意味、現在の東芝を象徴する存在と言っていいだろう。

　またdynabook SSシリーズには、Windows XP Tablet PC Editionを採用する、タブレット/ノートブックコンバーチブル型のDynaBook SS 3500もある。

コストパフォーマンスのバランスを追求した企業向けスタンダードノートPC、dynabook Satellite

　dynabook SSシリーズを東芝の象徴と書いたが、現在、シリーズの中心機種として位置付けられているのはdynabook Satelliteブランド。dynabook Satelliteブランドは幅広いユーザーに対応するために、複数のシリーズがラインアップされている。

[本田雅一, ITmedia ]

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