ソフトによる差別化1
ソフトこそがノートPC差別化の鍵、東芝のソフト開発体制(2/2)

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PC技術第一担当・PCアーキテクチャチーム・シニアエンジニアの井上雅之氏


PC設計第一部・第六担当・主務の金子聡氏

一歩先を読んだ開発

 その東芝PCソフトウェア開発チームが、現在、もっとも注力している分野のひとつがBluetooth関連のソフトウェアだという。東芝はこれまでも、自社製PCに独自スタックを開発、提供してきた。サポートするプロファイル(接続のタイプ)も、他社製スタックやWindows XP標準のものよりも多く、既存Bluetoothデバイスとの接続性も非常に高い。

 それというのも、東芝はBluetooth SIGの主幹事メンバーとして、以前から積極的に技術開発や標準化に取り組んできたからだ。このため、新しいプロファイルのサポートを他社よりも早くキャッチアップできる。

 また東芝PCは、世界で初めてDPIT(Bluetooth SIGが認めるリファレンスモデル)に指定されている、唯一のPCベンダーであり、相互運用性が非常に高い。


ソフトウェア第二部・第五担当・主務の渡辺宏之氏(ネットワークユーティリティー「ConfigFree」を担当」)

 現在、BluetoothはGSM圏(主に欧州)を中心に普及が進んでいる段階だが、日本ではほとんどアプリケーションが存在しないのが現状。東芝は自社でPC用のBluetoothヘッドセットなどを発売しているが、普及の要となる携帯電話の対応が進んでいない。

 しかし日本においてもBluetoothは、普及のきっかけがそろそろ芽を出しつつある。そのときになれば、現在は評価される機会の少ないBluetoothスタックも、使いやすさの点でアドバンテージを取ることが可能だろう。

 たとえば東芝が無線LAN内蔵ノートPCに添付しているネットワーク切り替えユーティリティのConfigFreeは、今後は無線LANに加えてBluetoothへの接続切り替え機能も統合する予定。デバイスの発見、関連付けなどを、ビジュアルで確認し、マウスのドラッグ&ドロップ操作で行えるなどの力作だ。

 東芝はかつて、電源管理インタフェースのACPIを開発するに当たって、マイクロソフトやインテルと共に、その標準規格策定に加わった。最も省電力機能に精通したPCベンダーだったというのがその理由だが、そこでの先行開発は確実に製品の力として生きた。Bluetoothでもおそらく同じことが起きるだろう。

 東芝は「まだまだPCは使いにくさが残っている。それを解決するのはソフトウェアの力だ。どんな機能でも、画面を見れば5秒で理解できる。そうなるまで、開発は終わらない」と話す。これまでハードウェア品質の評判に隠れ、今ひとつ目立たない存在だった東芝製PCのソフトウェアだが、いよいよその力が活かされる時代に入ってきた。

 さて次回は、個々の製品について掘り下げる。

[本田雅一, ITmedia ]

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