Photoshop CSはデジカメユーザーの福音となるか(4/4)
フィルタはPhotoshop 7.0と基本的に変わらないが、「Photoshop Elements」のような「フィルタギャラリー」が付いた。それもプレビュー付きで、複数のフィルタを重ねてかける機能もある。Photoshop CS全般に言えることだが、多くのダイアログはウィンドウサイズが可変になった。だから大きなモニタを使っている人は、プレビューも大きくして見られるので、非常に便利なのである。
![]() フィルタギャラリーを開き、ウィンドウサイズを大きくしてプレビューを見やすくしてあれこれ試すことができる。特にフィルタのパラメータを調整しながら試せるのはよい もう一つフィルタで忘れてはならないのが、新しい「ぼかし」フィルタ。今までにもPhotoshopにはいくつかのぼかしフィルタがあったが、レンズによる撮影時のボケに比べると不自然で、背景をぼかすという用途にはつらいところがあった。 「ぼかし(レンズ)」フィルタはその不満を解消するもので、レンズによるボケをシミュレートする。だから被写界深度が深い民生用デジカメで撮った写真の背景をぼけさせてそれっぽく見せたい時に使えるし、リアルなボケを表現したい時にも便利だ。マスクをうまく組み合わせることで、よりリアルに見せることができる。
![]() わかりやすいよう派手に「ぼかし(レンズ)」をかけてみた。グラデーションをかけたクイックマスクを作り、遠くへ行くほどぼけるようにしてある。マスクをうまく使うのがポイントだ。「スペキュラハイライト」を強めにかけると、高輝度部だけがぼけて光るので、よりそれらしくなる
Photoshopでフォトレタッチをする人にとって不満だったのが、16ビット/チャンネル機能。RGBそれぞれが16ビットカラーを扱えるのだが、それに対応した機能は少なく制限も多かった。16ビット/チャンネル時はレイヤーが使えず、また、フィルタも多くが未対応と不便を強いられていたのである。 これに対しPhotoshop CSでは、16ビット/チャンネルの画像に対しても色調補正のほとんどの機能が使える。レイヤーも使えるし、使えるフィルタも増えた。すべてではないが、今回は色調補正とレイヤーが16ビット/チャンネルに対応したのが一番のトピックだろう。
デジカメユーザーとしての立場からPhotoshop CSを見てきたが、上記以外にも、レイヤー関連機能の強化やピクセルの縦横比を変える機能(DV用の画像を作る際に便利)、キーボードショートカットをカスタマイズする機能、Photoshop Elementsに付いていたパノラマ画像を合成する「Photomerge」コマンドの搭載などが目立つ。 そんなわけで、定番中の定番であるPhotoshopもやっとデジカメに本格的に目を向けてくれた。試用したのはベータ版で、日本語化が完了していないところもあり、細かく突っ込むことはできなかったが、ヘルプやガイド関係も充実しそうで、おそらく、デジタル一眼レフカメラやハイエンドデジカメの写真をレタッチしたい人には必須のアップグレードになるだろう。 搭載してほしい機能はまだいろいろあるけれど、とりあえず私は迷わずアップグレードします。 関連記事[荻窪圭, ITmedia ] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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