dynabook SS 1600レビュー
ビジネス用途に妥協しなかった、東芝の新型ノートPC(1/3)

世界のビジネス向けモバイルノートPCの定番の一つであるdynabook SSシリーズに、新型が登場した。dynabook SS 1600は、更なる小型化とともに妥協しないスペックを満載している。ビジネス用途としての使い勝手をレビューする。

さらにコンパクトなdynabook SSが登場

 東芝が新型の企業向けモバイルノートPC「dynabook SS 1600」を発表した。CPUには超低電圧版Pentium Mの1GHz、チップセットはIntel 855GM(グラフィックはチップセット内蔵)で、12.1型低温ポリシリコンTFTカラー液晶、メモリは256Mバイト(最大1280Mバイト)を搭載している。

 定価25万0100円のベースモデルは、HDDが20Gバイト、バッテリ駆動約5時間で、質量約1.1キロ、OSはWindows XP Professional SP1となっており、保証期間は1年。またカスタムメイドにて、40GバイトのHDD、802.11bや802.11b/gのワイヤレスLAN、保証期間3年などを選択することもできる。

 またコンパクト化の実現に向けて、既存のdynabook SS 2110よりも、基板を約30%小型化、またフットプリント(底面積)を約14%削減している。さらに部品の高さ制限が緩和されたことで、部品を集約し部品点数を約18%削減した、という。


本記事の写真は、市販のワイヤレスLANなしモデルであり、記事内容と異なる部分があることをご了承ください

気になる新筐体を精密チェック!

 まずは外観から見ていこう。全体として、これまでのdynabook SSシリーズの印象を継承しつつ、異なるアプローチでモバイルノートPCを仕上げた、といった観がある。

 筐体外部は、既存のSSシリーズと同じ色合い(シャンパンゴールド)のマグネシウム合金で覆っている。そしてディスプレイを開けると、これまたSSシリーズと同様に、黒一色の塗装が施され、キーボードのプリントが明瞭になるよう配慮されている。

 液晶部はL字型ヒンジとなり、画面が沈み込むようになった。今までのモバイルタイプのPCと比べても、画面の見やすさはほとんど変わっていないと言っていいだろう。筐体のフットプリント(底面積)の小型にも貢献するL字型ヒンジは、現代のモバイルノートPCのトレンドの1つとも言える。

 このL字型ヒンジの採用の理由は、ワイヤレスLAN環境での電波受信の感度を高めるために、ダイバーシティアンテナをフタ上部に配置したためだそうだ。アンテナをフタ上部に配置し、なおかつ液晶をフットプリント内に収めつつ見やすい画面配置を考え、L字型ヒンジに行き着いたのだそうだ。


 キーボードは、SS 2110と同様に、19mmピッチで1.7mmストローク。CapsLockキーにLEDを搭載し、視認性を向上させた。最近のdynabook同様フラットタイプで反り返りはない。ただし、ファンクションキーとその他のキーを分ける仕切りがはずされ、少しコンパクトになった気はするが、打鍵感はSS 2110と比較しても遜色のない仕上がりになっている。


堅牢性を追求した設計

 SS 2110と大きく変わったのが外観の形状および、ポート類だ。上面は“スプーンカット”と呼ばれる“デザイン”を採用し、平らな形状よりも、剛性を確保している。上面を押すと柔らかい感じはするが、これは凹むことで、満員電車の中で押されたりなどした際に液晶パネルにかかる圧力を分散させるのだそうだ。これまでのSSシリーズよりも、さらに液晶パネルへかかる圧力を低減させている。

 またスプーンカットデザインの下の空間には液晶のインバーターが配置され、液晶外枠のさらなる小型化に貢献している。


 堅牢性という考え方に基づき、HDDに近い底面にも東芝は気を使っている。持ち運び時や使用時に外部からの思わぬ衝撃を吸収・分散し、ボディ内部のHDDへのショックを極力少なくするための仕組みを搭載している。それが応力分散ドームだ。底面のHDD部分が丸く盛り上がった成型になっており、このドームが外部からの衝撃からHDDを守るようになっている。

[大出裕之, ITmedia ]

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ビジネスモバイル最前線:東芝ノートPCのアドバンテージを探る

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