dynabook SS 1600レビュー
ビジネス用途に妥協しなかった、東芝の新型ノートPC(2/3)
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電源周りにもこだわりのカスタマイズ機能
さて前面は、電源スイッチと電源ロックスイッチ、マイク入力とイヤホンジャック、そしてボリュームが配置されている。1600のウリの一つがこの電源ロックスイッチとBIOS画面あるいはユーティリティーで設定できる電源スイッチの設定だ。
電源ロックスイッチは、カバンの中などでの誤動作を防ぐため、ハードウェア的に電源スイッチを押せないようにするもの。
そしてBIOSを自製している強みを生かし、電源スイッチに対して、ディスプレイを開け閉めする際にどのような動作にするか、カスタマイズすることが可能となっている。ちなみに3つの動作モードを選択することができる。1つはディスプレイを閉じていても、スイッチを押すと電源が入る状態。2つ目は、ディスプレイを閉じていると、スイッチを押しても電源が入らない状態。3つ目が、ディスプレイを閉じていてAC電源が接続されていない場合に電源が入らないというモードだ。
この3つ目のモードを設定した理由は、外部ディスプレイと外付けキーボードをつなげてデスクトップPC形態として使用するシチュエーションも考慮したとのこと。つまりモバイル環境での利用はもちろん、オフィス環境でもメインマシンとして利用するシチュエーションも想定しているわけだ。
デスクトップPC的使用の場合、当然AC電源は入れるはず、ということになる。デスクトップPC的使用も想定するからこそ、熱対策としてファンを搭載した配慮が生き、デスクトップPCと同様に常に最大パフォーマンスを出せることになる。
使い勝手優先に考えられたポート類の配置
そろそろ側面のスロット配置に話を移そう。左側面は、電源コネクタ、RGBコネクタ、LANコネクタ、USB 2.0×1、CFカードスロット、SDカードスロットとなっている。このあたりはインタフェースに妥協したくない東芝のこだわりと言っていいだろう。贅沢にもCFとSDを両方搭載している。
CFとSDの両方搭載は、なかなかありがたい。CFでPHSデータ通信をしつつ、SDメモリカードでデジカメデータをPCに移したりするのに機動力を発揮するだろう。
右側面は、PCカードスロットとワイヤレスLANのON/OFFスイッチ、USB 2.0×2、モデムコネクタ、そしてセキュリティロックスロットとなっている。背面はバッテリを装着するようになっており、スロット類は存在しない。
USBが左右に出ていることは使い勝手を向上させる一助であろう。マウスを右に、そして外付け光学ドライブなどを左側に置くなどの効率よくスペース使用できる。もちろん、左利きの人にはなによりも使いやすく、うれしいはずだ。
左側面(CFスロットが写真ではふさがっていますが、dynabook SS 1600には搭載されます)
右側面(ワイヤレスLANスイッチが写真ではふさがっていますが、dynabook SS 1600には搭載されます)
さて、モバイル系のコンパクトPCの中には、冷却ファンレスの製品もある。ここもまた東芝のこだわりの一つで、ファンをはずして温度の上昇に応じてCPUのクロックを自動で下げてしまうより、あくまでもCPUクロックを落とさずにパフォーマンスを維持させ、PCを稼動させ続ける、という強い意思のもとで冷却ファンを搭載している。
ビジネスを念頭に入れた、各種ユーティリティーもさらに強化
ビジネス向けノートPCとして東芝が注力している部分の一つに、ソフトがある。これを単にPCのバンドルソフトと侮ってはいけない。BIOSを自社開発できる唯一のPCベンダーならではの、スペシャルな付加価値がここにはある。
ConfigFreeは会社や外出先、さらには家の中など、複数のネットワーク環境でPCを利用する際など、接続可能なネットワーク環境を認識し、環境設定の変更を自動で行う東芝製のユーティリティーだ。昨今のワイヤレスLANの普及を受け、各社ともネットワーク周りのユーティリティーには気を使うことが多くなっているが、その中でもConfigFreeは、レーダーを見るような直感的でわかりやすいユーザーインタフェースになっている。
新しくなったConfigFreeのGUI
[大出裕之, ITmedia
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