通話とチャットが無料に―――Androidアプリ「Skype」はどこまで使えるのか?
世界中のユーザーと無料で通話とチャットができる「Skype」。昨年11月にauが「Skype au」をAndroid端末向けに提供したことで話題になったが、現在は他社のAndroid端末でもSkypeアプリが利用できる。筆者が実際に使用した感想を交えながら、この「Skype」がどこまで使えるアプリなのかをレビューしよう。
インターネット回線を経由することで、無料で音声通話が利用できる「Skype」。昨年11月に、auのAndroid端末向けに「Skype au」が先行リリースされたのは記憶に新しいが、現在はAndroid端末全般で利用できるアプリ「Skype」がAndroidマーケットで配信されている。携帯電話の通話ツールとしてはまだまだ不便な点があるが、海外出張が多いビジネスパーソンには、通話料を気にせずコミュニケーションがとれる手段としてぜひ知っておいてもらいたいアプリだ。
Skypeの最大の特徴は「Skypeユーザー同士であれば、世界中どこにいても通話が無料」ということ。3G回線はもちろん、Wi-Fi経由でも通話ができる。また、通話だけでなく複数名でのチャットが可能なのも忘れてはいけない。もともとはPC向けのサービスで、PCで使う際にはヘッドセットなどの周辺機器が必要になる場合がある。しかし、Androidアプリは通常の電話と同じように使えばいいので、アプリをダウンロードするだけで手軽に始められる。
Skype同士なら海の向こうでも通話は無料なので、海外出張の際などには電話代を節約できて便利。もちろんインターネットを使うのでパケット通信料はかかるのだが、ホテルのWi-Fi環境や、各キャリアが用意する海外向けパケット定額サービスを活用すれば、気兼ねなく通話ができるだろう。また、後述するが、有料で通常の電話番号に電話をかけることもできる。
では、さっそくアプリの使い方をみていこう。
Skypeを起動すると、ロゴが表示された後、ログイン画面が表示される。ログインにはSkype名とパスワードが必要だ。ただし、Android端末からもアカウントの新規作成は行えるので、初めて使うユーザーも安心。もちろん、アカウントの作成は無料である。ここでは、あらかじめアカウントを持っている前提で進めていく。
ログインに成功すると、コンタクトリストが表示される。コンタクトリストというのはSkypeの電話帳で、ここから連絡を取りたい相手を選択する。アカウントを作成してすぐの状態では、コンタクトリストに表示されるのはテスト通話のみなので、メニューを立ち上げ、コンタクトリストを追加しよう。アドレス帳からSkypeユーザーを検索できるほか、連絡を取りたい相手のSkype名をあらかじめ聞いておけば、Skype名を検索して見つけることができる。相手にリクエストを送り、相手が承認すれば、互いのコンタクトリストにアカウントが追加される。
通話をするには、電話をかけたい相手のコンタクトを選択し、「発信」をタップ。このとき、“相手もオンライン状態でないと電話が繋がらない”ので注意しよう。
さて、実際にアプリを使用した感想としては、電話回線を利用した通常の通話に比べ、やや音質が劣るように感じた。音がこもりがちで、会話の途中でブツリブツリと音が途切れることがあった。もちろん、Skypeの音質や安定性は通信速度をはじめとする使用環境によって変化するので、一概にはいえない。環境が整っていれば通常の音声通話よりクリアな音質を得られるともされている。しかし、音声回線ほどの安定性は今のところないように思う。
音声通話の使い勝手では通常の電話機能に軍配があがるが、コストメリットを考えれば納得はいく。また、Skypeはチャット機能を使って、PCでチャットをするようにスムーズにやりとりができ、複数名でグループチャットを行えるという便利さもある。チャット機能でポイントなのが、会話のログが残ること。チャット上で頼まれた用事などもあとから確認できるので、ビジネスシーンでも役立ちそうだ。
また、SkypeではSkypeユーザーだけでなく、一般の電話番号に電話をかけられる。一般の電話にかける際には有料となるが、例えば日本の携帯電話宛てには17円50銭/分(プリペイド利用時)と、20〜30円/分といった通常の携帯電話の料金帯と比べれば安い。さらに、固定電話宛てには3円22銭/分とお得度が増す。海外への通話も、例えばアメリカには2円66銭/分と非常に安い。安定性や使い勝手の違いを考慮しても、検討する価値は十分にありそうだ。
Skypeはログアウトしない限り、アプリがバックグラウンドで働き続ける。なので、常に連絡を受けたい場合はアプリを落とさずログイン状態のままにしておけばよいが、そうするとバッテリーの消耗が激しくなるので注意が必要だ。バッテリーをいかにもたせるかが大きな命題のスマートフォンにおいて、バッテリー消耗の激しさはややネックである。必要に応じてアプリのオン/オフを切り替えて使うのが現実的だろう。
長時間通話や海外との通話の際には、大いに魅力があるSkypeアプリ。シーンに合わせて電話とSkypeを使い分けて、いつでもどこでも通話を気兼ねなく楽しめるようにしてみてはいかがだろうか?
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