「みちびき」と「IMES」使った屋内外測位の実証実験 北海道で
既存のGPSでは難しい屋内外のシームレスな測位による位置情報サービスの実現を目指し、北海道の「網走監獄」で実証実験が始まる。屋外測位に準天頂衛星「みちびき」、屋内測位に「IMES」を活用。
スマートフォンの普及により位置情報を使ったサービスが増える中、ソフトバンクモバイルらが「屋内外でのシームレスな測位」を可能にする位置情報サービスの実証実験を北海道で始める。実験では、高精度な測位を実現する準天頂衛星「みちびき」と、屋内測位システム「IMES」を活用。広大な敷地を持つ博物館「網走監獄」における施設案内を、スマートフォンアプリを通じて提供する。
ソフトバンクモバイル提供の観光アプリ「ふらっと案内」を利用して実験サービスを提供する。施設屋外ではみちびきの信号とアプリのスタンプラリー機能を使って参加者をナビゲートするほか、場所に応じた施設解説などを提供する。通常、GPS衛星の測位精度は10メートル以上の誤差があるが、みちびきの利用により誤差1メートル前後の精度でサービスが提供できる。
建物内にはIMES方式の「地上補完信号送信機」を設置。IMESはGPSやみちびきと互換性のある測位方式で、スマートフォンで受信でき、屋内測位を可能にする。アプリでは参加者の位置情報と連動して展示物を解説する。このほか、実験に併せてアプリ内で周辺地域のデジタルスタンプラリー規格も実施し、観光客誘致と地域内回遊の活性化を図る予定。
北海道 オホーツク管内の市町村、ソフトバンクモバイル、ソフトバンクテレコム、JR北海道、東京農業大学オホーツクキャンパス、財団法人網走監獄保存財団、財団法人衛星測位利用推進センター、社団法人北海道観光振興機構、IMESコンソーシアムの協力で実現する、産学官横断型の共同実験。期間は10月14〜17日までの4日間で、東京農業大学オホーツクキャンパス学生などが参加を予定する。
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