コンテンツホルダーに“中国行きの高速道路”を――中国進出を支援する流通プラットフォーム登場:中国スマホ市場への進出を支援(2/2 ページ)
Android Marketが提供されていない中国は、コンテンツホルダーにとって進出のハードルが高いといわれている。そんな中国市場への進出を支援するコンテンツ流通プラットフォームが登場した。
TapnowMarketはコンテンツを強化
Qihoo 360のユーザー向けにコンテンツを提供するには、同社と共同で配信プラットフォームを構築するACCESSPORTのTapnowMarketにコンテンツを登録する必要がある。このTapnowMarketは、現在はユーザー規模が2万ほどの小さなマーケットだが、新コンテンツ投入などの施策により、今年中に300万ユーザーの獲得を目指す考えだ。
TapnowMarketは、“便利で使いやすいAndroidアプリを、探しやすい形で提供する”ことを目指してACCESSPORTが立ち上げた独自のアプリマーケット。1月にデベロッパーセンターが公開され、アプリ開発者が自由にアプリを公開できるようになった。
コンテンツについては、2月24日から壁紙ストアの提供を開始。コンテンツホルダーが権利を保有している画像やイラストなどを、スマートフォン向けの壁紙として販売できる仕組みを用意した。ユーザーは専用アプリを使うことで、ホーム画面のそれぞれに好みの画像を設定できるようになる。
4月には電子書籍の配信プラットフォームとして、Tapnowブックストアを提供する予定。電子書籍取次大手のメディアドゥとの提携により、国内主要200社の3万タイトルを配信する計画だ。
さらに、5月上旬にはTapnowミュージックストア、6月上旬にはビデオストアの提供を予定しており、コンテンツのラインアップを一気に拡充する。
“身近で話題のコンテンツを探せるマーケット”を目指していることから、「ドラマや映画で流れた楽曲、雑誌で話題のダイエット方法といったものを用意していきたい」(楠氏)といい、そのためにも幅広いジャンルのコンテンツをそろえていく考えだ。
システム面では、2月24日からTapnowMarketでの有料アプリの販売を開始するとともに、開発者向けには無料アプリにアイテム課金の仕組みを組み込むためのSDKを公開。3月中旬にはアプリの月額課金を可能にするSDKを公開する。
TapnowMarketは柔軟な課金方式が特徴で、ダウンロード課金やアイテム課金、月額課金に対応し、ユーザーの支払い方法もクレジットカード決済やキャリア決済、電子マネーなどから選べる。さらに、外部サービスで得たポイントによる支払いや、広告を見ることで得たポイントでの支払いも可能とするなど、ユーザーがお金をかけずにコンテンツを購入できる仕組みも取り入れている。
日本のAndroid端末向けコンテンツストアは、Android Marketをはじめ、通信キャリアが提供するマーケット、サードパーティが提供するマーケットなど、さまざまなものがある。
TapnowMarketの強みについてACCESSPORTの運営陣は、(1)通信キャリアのマーケットほど掲載基準が厳しくなく、開発者が自由に登録できる点(2)公開するアプリの安全性についてしっかりチェックを行っている点(3)ダウンロード課金や月額課金、アイテム課金などに対応する点(4)ユーザーの支払い方法として電子マネーやクレジットカード決済、通信キャリアの利用料との合算支払いなどに対応している点(5)ユーザーがお金をかけずにコンテンツを入手できるよう、外部ポイントとの連携や広告連動を進めている点 などを挙げる。これに加えて、コンテンツホルダーにとって中国進出への足がかりになる――という最も大きな強みがあるわけだ。
ACCESSPORTは今後、端末メーカーや端末販売店を通じたマーケットアプリのプリセット、メディアパートナーとの協業などでTapnowMarketへの集客を図っていく考え。Qihoo 360 Technologyとの連携や新コンテンツ投入などの新たな施策で、TapnowMarketがどのような成長を遂げるのか。今後の動きに注目したい。
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