米通信キャリア連合のモバイル決済サービス「ISIS」、ついにスタート
米4大キャリアのうち3社が参画するモバイル決済サービス「ISIS」が、10月22日にサービスを開始。まずは米国の2都市で、試験的にサービスを提供する。
米国最大のキャリアVerizon Wirelessをはじめ米キャリア3社が支援するISISのNFCモバイル決済サービスが、数回の延期の末10月22日にスタートとなるようだ。まずは米国の2都市で実験を開始するという。
ISISは、NFCを搭載したスマートフォンを使って決済などのサービスを提供するためにVerizon Wirless、AT&T、T-Mobile USAなどが2010年に立ち上げたジョイントベンチャー。当初、2012年夏に開始予定としてきたが9月に延期され、その9月のサービス開始も再延期となっていた。米国の4大キャリアのうち3社がISISに参加し、残る1社のSprintがGoogle Walletに参加していることから、米国ではGoogle Wallet対抗と位置づけられている。
サービス内容は米Googleのモバイル決済サービス「Google Wallet」とほぼ同じで、ユーザーは自分のクレジットカードを設定しておけば、対応ショップ端末を読み取り機器にタップすることで料金を支払える。決済側のカード会社は、Visa、MasterCard、American Express、Discoverなどが参加しており、ISISは今年に入りCapital One、J.P. Morgan Chaseなどとの提携も発表している。
17日付けでISISのマーケティング担当がWall Stree Journalなどに各紙に送った声明文によると、ISISは10月22日からテキサス州オースティンとユタ州ソルトレークシティでサービスを開始するとみられる。現時点では利用できる店舗や対応端末を明らかにしていないが、2012年中に約20機種の対応端末を揃える予定。対応店舗は、7-eleven、McDonald's、Foot LockerなどがISISのWebサイトで紹介されている。
Google Playでも、すでにT-Mobile向けの「ISIS Mobile Wallet」アプリが公開されており、ここでもサービス開始は10月22日とアナウンスされている。なお、サービスの利用にあたっては、専用のISIS SIMを入手する必要がある。
ISISの対抗サービスといわれるGoogle Walletは、2011年9月に一部市場でスタートし、その後、サービスを拡大している。現在、MasterCard、Visa、Discover、American Expressなどの主要カードに対応しており、約10万店舗で利用できる。米国ではGoogle Walletのほか、Twitterの創業者が立ち上げたSquareなど複数の決済サービスが乱立している。
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