増えるスマホ狙いの窃盗、ユーザーの安全対策は不十分なまま――英Sophos調べ:調査リポート
海外でスマートフォンやタブレット端末を狙った窃盗が急増している。しかしながら、約半数のユーザーがリモートワイプ/ロックなどの安全対策を講じていないという。
高価なスマートフォンやタブレット端末は、スリや窃盗を働く犯罪者にとって格好のターゲットとなっているが、ユーザー側は十分な安全対策を講じていない――。英セキュリティベンダーのSophosの調査から、こんなスマートフォンユーザーの実体が明らかになった。
Sophosが英国で約1000人を対象にモバイル端末(スマートフォン、タブレットなど)の紛失・窃盗について調査したところ、電子機器の紛失や盗難に遭ったという回答は36%に達し、このうち78%がスマートフォンや携帯電話、タブレット、ノートPCを失っていた。なお、58%が失った端末がみつからなかったと回答している。
紛失や盗難の対策として、端末メーカーやセキュリティベンダーがリモートロック/ワイプなどのサービスを提供しているが、紛失・盗難に遭った端末のうち42%がセキュリティ対策を講じていなかったという。20%の端末に仕事に関するドキュメントや電子メールが含まれており、同じく20%に生年月日や保険証番号などの重要な個人情報が含まれていた。クレジットカード番号など、決済関連の情報を含む端末は10%で、35%がアプリやWebブラウザが保存するクッキーを利用してSNSにアクセス可能な状態だったと報告している。
Sophosの調査は英国で行ったものだが、AP通信は10月20日付けで、サンフランシスコなど全米の主要都市でスマートフォンを狙った犯罪が増加していると伝えている。サンフランシスコでは強盗事件の半分以上がスマートフォンを狙ったもので、この比率はニューヨークでも40%以上、ロサンゼルスでは25%以上に増えている。多くが移動中を狙ったもので、通話中のiPhoneをひったくるケースもあったという。
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