無料アプリのプライバシーリスク、有料アプリに比べて高い傾向――米Juniper Networks調べ
米Juniper NetworksがAndroid向け無料アプリについて、安全上のリスクを懸念するレポートを発表した。ユーザーの位置情報を追跡する無料アプリは有料アプリの4倍多いことも分かったという。
Android向け無料アプリの安全上のリスクを懸念するレポートが発表された。ネットワーク機器大手の米Juniper Networksが調べたもので、ユーザーの位置情報を追跡する無料アプリは有料アプリの4倍多いことも分かったという。
Juniper NetworksのモバイルセキュリティラボであるMobile Threat Center(MTC)が、米GoogleのAndroidアプリストア「Google Play」にある約170万のアプリについて調べた(調査期間は2011年3月から9月まで)。
それによると、無料アプリの24.14%に位置情報を追跡する権限があり、6.72%がアドレス帳にアクセスしていることが分かった。有料アプリの場合、比率はそれぞれ6.01%、2.14%であることから、位置情報の追跡を行う無料アプリは有料アプリの4倍、アドレス帳へのアクセスするアプリは有料アプリの3倍になると報告している。
一般的に無料アプリの方が有料アプリよりもプライバシーのリスクが高く、端末側のカメラ機能にアクセスする無料アプリは有料アプリの2.5倍だったという。さらには、SMSや通話の許可を求めるものもあり、傍受など誤ったことに利用される可能性があるとJuniper Networksは懸念を示している。
無料アプリは広告モデルを採用ことが多く、プライバシー情報の収集は広告配信目的で行われると思われているが、実際はそれほどでもないようだ。調査の結果、AdMob、AirPush、Leadboldなどのモバイル広告ネットワークを利用している無料アプリはそれぞれ、0.75%、4.1%、2.34%にとどまった。
プライバシーリスクが高いアプリのカテゴリーとしては、カードとカジノ、レーシングの2つが挙がった。特にレーシングについては、アプリストアから削除される率が高く、「最も懸念されるカテゴリ」と警告している。レーシングに分類されるアプリのうち、SMS送信機能があり、なぜSMS送信が必要なのかを説明していないアプリは、無料アプリの99%、有料アプリの92.42%に達しているという。
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