進む企業のタブレット導入、今後4年で3倍に:調査リポート
コンシューマー市場から火がついたスマートデバイスは、今後法人市場で普及が加速するようだ。Gartnerの調査によると、企業が業務用途で購入する端末は、今後4年で3倍に増加するという。
コンシューマー市場から火がついたスマートフォンやタブレット端末は今後、ますます法人市場で大きな存在感を示すようになる――。Gartnerが、スマートデバイスの市場予測を発表した。
Gartnerが11月6日に発表したリポートによると、2012年のスマートデバイス(スマートフォンとタブレット端末)の出荷台数は8億2100万台に達する見込みで、フィーチャーフォンを含むデバイス市場全体の7割を占めるという。スマートデバイス出荷台数は2013年には10億台の大台にのると予想している。
こうしたトレンドは、企業におけるITの活用にも影響を与えそうだ。2016年には、企業でモバイル端末を利用するユーザーの3分の2がスマートフォンを所有し、4割がモバイル環境で作業するとGartnerは予想。また、企業が業務用途で購入するタブレット端末は、2012年には1300万台となり、2016年には3倍以上の5300万台に達するとみる。
OSについてはAndroidの存在感が増すことになりそうだ。北米と欧州では企業が導入するスマートフォンのうち56%がAndroidになると予想。その予測の背景には、さまざまなメーカーがさまざまな価格帯の端末を提供するというAndroidエコシステムがあるとミラネシ氏は分析している。一方でIT管理部門にとっては、セキュリティや管理の面で課題が出てくるとも予言している。
11月5日付けでIDCが発表した、第3四半期(7〜9月)のタブレットの市場動向でもAndroidは大きくシェアを伸ばしている。iPad miniの登場が噂され、Apple製品の買い控えが起こったこともAndroid端末ベンダーの追い風になったようだ。
Appleのシェアは50.4%で、前四半期(2012年第2四半期)の65.5%から減少。一方で2位の韓Samsungをはじめとする上位5社のうち4社(全てAndroidメーカー)がシェアを伸ばしたようだ。特にSamsungは製品ラインアップの拡充がユーザーを引きつけたようで、出荷台数は前四半期(2012年第2四半期)の115%増となる510万台を記録した。増加率は前年同期比で325%に達するという。
Androidベースの「Kindle Fire」を展開するAmazonも善戦している。米国のみの展開(調査期間の第3四半期時点)というハンデがありながらも、シェアは前四半期(2012年第2四半期)の4.8%から9%に成長した。
第4四半期(10〜12月)にはiPad miniと第4世代iPadがリリースされることから、IDCではAppleが盛り返すと予想する。しかしiPad miniの価格(329ドル〜)がそれほど安くないことから、Android端末を扱うベンダーのシェアがさらに拡大する余地も多いにあると予想している。
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