急増するモバイルデータトラフィック、2018年には12倍に――Ericsson調べ:調査リポート
スマートデバイスの普及に伴い、世界のモバイルデータトラフィックが急増している。Ericssonの予測では、2018年には2012年の12倍に増えると予測している。
Ericssonは11月21日、ブラジル・サンパウロで開催したイベント「Ericsson Business Innovation Forum 2012」で、最新のモバイル利用動向レポート「Ericsson Mobility Report」を発表した。2012年第3四半期(7月〜9月期)の世界のデータトラフィックは、前年同期比で2倍に増加している。
Ericsson Mobility Reportは、同社が半期に1回発表するモバイル利用動向調査のリポートで、これまで「Ericsson Traffic and Market Report」として公開されていたもの。今回で第3回目となる。
第3四半期の世界のモバイルデータトラフィックは、前年同期比でほぼ倍増している。データの伸びを牽引しているのはスマートフォンで、第3四半期に販売された携帯電話のうち約4割がスマートフォンだったという。Ericssonでは今後もこのトレンドが続くとみており、2012年から2018年までの間で、データトラフィックは12倍に拡大すると予想している。
データトラフィックは2009年第4四半期に音声を逆転しており、2011年第1四半期には音声の倍になっている。動画利用の増加がデータトラフィックの成長要因となっており、スマートフォンのトラフィックの4分の1(25%)以上を動画が占めているという。
2012年第3四半期のモバイルサービスの契約数は64億人で、前年同期比で9%増加。普及率は91%に達している。契約数も増加傾向が続き、2012年末には66億件に、2018年には93億件になると予想している(マシン間通信は含まず)。
通信技術規格別の普及の見込みについては、2018年時点で最も多いのはWCDMA/HSPAの3G規格を利用した通信で、LTEはGSM/EDGEの2Gに次ぐ3位につけている。LTEの契約数は契約数は16億件が見込まれ、これは2012年末時点(5500万件)の約30倍にあたる。EricssonによるとLTEは、モバイル通信史上で最もネットワークの構築ペースが速い技術で、2012年の時点で4億5500万人をカバーしているという。2018年には、人口カバー率は世界の人口の半分以上に達するとみている。
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