中国政府がGoogle/Androidの影響力に懸念
スマートフォンにおけるAndroidのシェアが8割を超えた中国で、政府がモバイル業界の「Android」への依存度が高くなりすぎていると警鐘を鳴らしている。
スマートフォンにおけるAndroidのシェアが8割を超えた中国で、政府がモバイル業界の「Android」への依存度が高くなりすぎていると警鐘を鳴らしている。3月初めに中国政府の工業情報化部(MIIT)が発表したモバイルインターネットに関する白書で明らかになった。
白書ではモバイルインターネットについて、端末、アプリ、トラフィックなどさまざまな面から調査を実施。端末については、自国のモバイルOSの研究開発がAndroidに依存していることに危機感を示した。依存による懸念事項としては、Androidはオープンソースだが、「Googleが中核となる技術や技術のロードマップをコントロールしている」「Googleによる中国企業への差別的な慣行がみられる」などといった点を挙げている。例えば、中国企業に対するAndroidコードの共有に時差がある、契約を通じて中国企業のモバイル端末事業開発を制限しているなどと指摘している。台湾企業ではあるがAcerが2012年秋、AlibabaのモバイルOS「Aliyun OS」を搭載したスマートフォンの開発を中止した際にGoogleの圧力を受けたという憶測があった。AcerはGoogleとAndroidライセンス契約している。
中国におけるAndroidのシェアは2009年の0.3%から2010年の12.6%、2011年には58.6%と一気に拡大し、2012年には86.4%を占めているという。Huawei Technologies、ZTEなどの中国ベンダーがAndroidスマートフォンを開発し、シェアを伸ばしている。
白書ではまた、AndroidやiOSがすでに大きなエコシステムを築いていることが「大きな障害となっている」とも記している。現在、スマートフォンの中核技術と知的所有権は欧米企業がコントロールしており、中国にはモバイル分野で「効力のある特許体系がない」と問題視している。
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