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原子力なしで乗り切った東京電力、夏の最大需要は前年から3%増加:電力供給サービス
東京電力が発表した今夏の電力需給状況によると、関東を中心とする管内の最大需要は前年よりも3%増加した。2010年と比べると15%の減少で、企業や家庭における節電対策の効果は引き続き大きく、原子力発電所を稼働させない供給体制でも需給率を93%にとどめることができた。
原子力発電にどこまで依存すべきなのか。政府が発表したエネルギー戦略をめぐって、さまざまな議論が飛び交う中、東京電力が今夏の電力需給状況の概要を発表した。それによると最大需要が発生したのは8月30日(木)の15時で、電力使用量が5078万kWに達した。前年の最大電力よりも3%増加し、2010年と比べると15%減少した。
8月30日の最高気温は東京電力の管内平均で35.0度を記録した。これは最大電力を記録した日で比較すると前年の36.0度、2010年の36.2度よりも低かった。前年は厳しい節電対策を実施した効果が大きかったとみられるが、一方で今年はまだ削減余地があったとも考えられる。
電力の供給に関しては、2010年と2012年の最大需要を記録した日の詳細なデータが公表された(図1)。それを見ると一目瞭然で、2010年には24時間を通して原子力が約1000万kWの電力を供給し続け、2012年はその1000万kW分の需要が減った形だ。
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