ニュース
小水力発電所を関西電力が運転開始、10MWのメガソーラー並み:自然エネルギー
原子力と火力を中心に供給力の増強を進めている関西電力が、再生可能エネルギーのひとつである小水力発電所を富山県で運転開始した。黒部川の支流にある既存の水力発電所を拡張する形で、小水力の設備としては規模が大きい1900kWの発電能力を可能にした。
関西電力の151番目の水力発電所として、「新黒薙(しんくろなぎ)第二発電所」が12月8日から運転を開始した。水力発電所が数多く集まる富山県の黒部渓谷にある。黒部川の支流である黒薙川からの水路を使った小水力発電所だ(図1)。
発電能力は1900kWで、年間の発電量は1200万kWhを見込んでいる。太陽光発電と比較すると10MW(メガワット)のメガソーラーと同等の発電量になり、3300世帯分の電力使用量に相当する規模である。
同じ場所には65年前の1947年に運転を開始した黒薙第二発電所があり、現在でも7600kWの水力発電設備として稼働中だ。この既設の発電所で使い切れていない水の流量を分岐させて、新設の発電所で活用する。2つの発電所は隣接する形で設置されている。小水力用の発電設備には導入費が安い「ターゴインパルス水車発電機」を導入した(図2)。
関連記事
- 水力発電所の集積地に、大規模ダム式から小水力まで勢ぞろい
日本列島エネルギー改造計画(18)富山 - ダム下流の水流で発電、2016年度までに2カ所で稼働開始
中部電力が岐阜県内で「維持流量水力発電所」を建設 - 水力発電に再び脚光、工場や農地で「小水力発電」
再生可能エネルギーの固定価格買取制度(6) - [検証]関西電力の今夏の需給対策、データが示す来年の進路は
原子力なしで火力発電を増強すれば予備率を最低5%に - 最新の火力発電設備が試運転を開始、関西電力の供給力が大幅に増加
1基で48.65万kW、今後2年間で合計6基が稼働
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.