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46年前に運転開始した地熱発電所、九州電力が2019年に増強へ:自然エネルギー
九州電力は大分県にある3つの地熱発電所のひとつ「大岳発電所」のリニューアルに乗り出す。46年前の1967年に稼働した古い設備を更新して、発電能力を2500kW増強する。地下の設備は交換せずに済ませ、取り出す地熱量も増やさない方針だ。6年後の2019年に運転開始を見込む。
温泉で有名な大分県は地熱による発電量が全国で最も多く、大規模な設備の大半は九州電力が所有している。日本で最大の「八丁原発電所」(出力12万2500kW)をはじめ、「滝上発電所」(2万7500kW)、「大岳発電所」(1万2000kW)が阿蘇山に近い九重町に集まる(図1)。3か所を合わせると小規模な火力発電所に匹敵する能力がある。
このうち最初に運転を開始したのが大岳発電所で、1967年8月に稼働した。地熱発電は最も効率の良い再生可能エネルギーとして将来性があることから、九州電力は老朽化した設備を更新して発電能力を現在よりも2500kW増強する。
地熱発電所は地上の発電設備(図2)のほかに、地下から高温の蒸気と熱水をくみ上げるための「生産井」、発電後の熱水を地下に戻すための「還元井」で構成する。今回のリニューアルでは生産井と還元井は従来のものを使い続け、地下から取り出す地熱の流体量は増やさない方針だ。
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