スマートメーターで電気料金を安く、NTTグループが関西のマンションで:エネルギー管理
マンション向けの節電サービスが急速に広がってきた。NTT都市開発は大阪府と兵庫県に建設する新築マンションにスマートメーターを設置して、時間帯別料金やデマンドレスポンスなどのサービスを提供できるようにする。通常の場合と比べて電気料金が5%程度安くなる。
NTT都市開発が導入するサービスは、同じグループのNTTファシリティーズと新電力のエネットが共同で提供する「EnneVision(エネビジョン)」である。2014年1月から2月にかけて大阪府の吹田市と兵庫県の神戸市に完成する2棟の新築マンションで実施する。関西では初めての試みで、今後さらに導入事例を拡大していく計画だ。
EnneVisionはNTTファシリティーズとエネットが2012年8月から開始したマンション向けの節電サービスで、マンション全体の電力を「高圧一括受電」により最大で5%安く提供する。さらに時間帯別料金やデマンドレスポンスといったメニューを利用すると、電気料金の削減幅を大きくすることができる(図1)。
マンションの各住戸にはスマートメーターを設置して、時間帯ごとの電力使用量を把握できるようにする。このデータをNTTファシリティーズのセンターで管理・分析することで、電力使用量の見える化をはじめ、時間帯別料金やデマンドレスポンスなどの節電サービスを各住戸に提供する。
時間帯別料金は昼間の単価を高くする代わりに、朝晩や夜間の単価を低くする。昼間の電力使用量が少なければ、高圧一括受電の通常料金よりも安くなる(図2)。昼間の外出が多い家庭では料金の削減効果が大きい。
もうひとつのデマンドレスポンスは、電力供給元のエネットが需要に対応できなくなる可能性があるような場合に、NTTファシリティーズが入居者にメールで節電を要請するものだ(図3)。節電に協力して電力使用量を減らすとポイントが発行される。ポイントは毎月の電気料金の支払いに利用することができる。
おりしも4月から政府がMEMS(マンション向けエネルギー管理システム)を対象に補助金制度を開始する。NTTグループとエネットが「MEMSアグリゲータ」になって、EnneVisionをベースにしたシステムを補助金の対象として提供することも考えられる。
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