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メタンハイドレートの産出に成功した場所は?ウイークエンドQuiz(2/2 ページ)

エネルギー資源に乏しい日本で「メタンハイドレート」の産出に成功したことは朗報だ。当面は火力発電が中心になる状況で、国産の天然ガスが大量に存在する意義は大きい。日本の近海にはメタンハイドレートが潜在する場所が多くあるが、世界初の産出に成功した地点はどの半島の近くだろう。

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正解:

 d.志摩半島

ミニ解説:

 正確な場所は三重県の志摩半島から南西へ50キロメートル、愛知県の渥美半島から南へ80キロメートルの地点である。これほど近いところに天然ガスが大量に存在していることは、少し前までは想像もできなかった。実は回答の選択肢に並べた5つの半島すべての近海の海底に、メタンハイドレートが広く分布すると考えられている。


「第1回メタンハイドレート海洋産出試験」の実施地点。出典:経済産業省

 海底にメタンハイドレートがあるかどうかは音波を使って調べる。石油や天然ガスを探査する場合と同じ方法で、海中で発生させた音波の反射波によって海底の地層の状態を推定することができる。この音波による探査で「BSR(海底疑似反射面)」を確認できれば、海底にメタンハイドレートが集積している可能性が大きい。

 3月に世界で初めて産出に成功した地点は、まさにBSRが広がっている海域にある。この一帯は「東部南海トラフ」と呼ばれていて、東は静岡県の御前崎の沖合から、西は和歌山県の潮岬の沖合近くまで、200キロメートルほどの範囲にBSRが分布している。

 この東部南海トラフから鹿児島県の大隅半島にかけた広い海域が、現在までに確認できたBSRの中では最大である。ほかには北海道の南部から青森県の下北半島の沖合、千葉県の銚子沖、石川県の能登半島と新潟県の佐渡島の間の海域でもBSRが確認できている。いずれも陸地から近い場所だ。

 メタンハイドレートの商業生産を開始できる日が待ち遠しい。早ければ2020年代の前半に実現する。

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