ニュース
中部電力が関東へ進出、東京電力より3割安い料金で攻勢:電力供給サービス
これまで地域独占状態が続いていた電力市場が自由競争へ動き始めた。中部電力が関東を中心に事業展開する新電力のダイヤモンドパワーを買収したうえで、静岡県に10万kW級の火力発電所を建設する。東京電力と比べて大幅に安い電気料金を武器に、企業向けで攻勢をかける。
全国各地で電気料金の値上げが相次いでいるが、中部電力は安い料金をキープし続けている。隣り合う東京電力と比べると、毎月の使用量に応じて課金する「電力量料金」に大きな開きがある。特に企業向けでは、東京電力の単価は中部電力の1.3倍以上も高い(図1)。
電気料金の増加に悲鳴を上げている関東の企業や自治体にとっては、許容しがたいほどの差がついている。できれば中部電力に契約を切り替えたい――そう期待する声にこたえるかのように、ついに関東へ進出する動きを開始した。
三菱商事グループの新電力であるダイヤモンドパワーの株式を80%取得して、東京電力の管内で電力を販売できる体制へ移行する。さらには電力の供給力を増強するため、東京電力の管内に隣接する静岡県に10万kW級の中規模な石炭火力発電所を2016年5月から稼働させる予定だ(図2)。燃料費の安い石炭を使って、低料金の電力を供給できる体制を強化する。
関連記事
- キーワード解説:電力会社と競争する「新電力」
自治体を中心に契約を切り替える動きが活発に - 電気料金を年間6650万円も削減、東京・世田谷区が新電力を拡大
2013年度はエネットと丸紅が供給 - 日本の電力市場が変わる、小売自由化と発送電分離を2016〜2020年に
小売事業と発電事業の競争が本格的に始まる - 発電事業の自由化を加速、地方自治体から新電力に供給拡大へ
小売全面自由化や発送電分離に向けて - 中部電力のメニュー 「企業向け割引プランが豊富」
知らないと損する電気料金の仕組み(10)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.