「スマートエネルギー構想」を推進する神奈川県知事、太陽光の次は水素に注目:ITmedia Virtual EXPO 2013
全国の自治体の中でもエネルギー政策で先行しているのが神奈川県だ。陣頭指揮をとる黒岩知事は元キャスターの知見を生かして、太陽光発電の「屋根貸し」など新しい構想を次々と展開する。エネルギー革命の次の主役として「水素エネルギー」の普及にも力を注ぐ。
黒岩氏がテレビの世界を離れて神奈川県知事に就任した日は、東日本大震災から間もない2011年4月のことだった。知事として最初に取り組むべき喫緊の課題がエネルギーの安定確保であり、同年9月には「かながわスマートエネルギー構想」をまとめあげた。
その構想の中で設定した目標は意欲的で、2020年度までに県内の電力消費量の20%を再生可能エネルギーで供給できるようにすることである。大震災の教訓から、エネルギーを“地産地消”することの重要性を強く認識したという。
キーワードは「創エネ」「省エネ」「蓄エネ」の3つだ。それぞれの分野で急速に進む技術革新の流れを見極めて、政策に反映させることを重視する。太陽光発電システムのコスト低下や太陽光パネルの軽量化、HEMS(家庭向けエネルギー管理システム)の動向や電気自動車の蓄電機能などをふまえて、補助金の割り振りにも目を配る。
さらに今後のエネルギー革命の主役として期待をかけるのが「水素エネルギー」である。環境に優しい水素を使った燃料電池自動車の普及に向けて、神奈川県が先頭を切って環境整備を進めていくことを宣言した。
黒岩知事の並々ならぬ意気込みをバーチャル展示会の「ITmedia Virtual EXPO 2013」(9月11日〜30日に開催)で存分に聞いていただきたい。さすが元キャスターだけあって、話す内容は具体的で明快だ。
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