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電気自動車とスマートハウスが生き生きと結び付く、鍵は予測モデルを使った先回り制御:電気自動車(2/2 ページ)
名古屋大学とデンソーは電気自動車が内蔵する電池を使った実証実験を開始する。実は難しい、スマートハウスと内蔵電池の最適制御を実現するプロジェクトだ。
理論上の成果は既に上がっている
今回の実証実験は、名古屋大学大学院工学研究科教授の鈴木達也氏がデンソーと共同で2012年度に進めた研究を実証するものだ。この研究「車載蓄電池を活用したモデル予測型エネルギー管理システムの設計」は、科学技術振興機構(JST)が進める戦略的創造研究推進事業のプログラムの1つ「(戦略的創造研究推進事業(CREST)」の対象として、2012年度に新規採択されている。
このとき、名古屋大学側には3つの研究項目があった。車載電池を考慮した予測型HEMSの定式化、マルチモードARモデルによる多様な状況下での電力需要予測、統計データとGreedyな探索による車使用予測だ。デンソー側の研究項目も3つあった。電力需要・太陽光発電量・車使用などの実データの計測・整理、モデル予測型HEMSの定式化における要件定義、プロトタイプ装置の開発と実機検証だ。
まさに今回の実証実験の1つ前の段階の研究だということが分かる。実際に67世帯のデータを取得し、モデル予測型HEMSを定式化してアルゴリズムを動かし、電力需要を予測した。車使用の予測に必要なアルゴリズムも考案している。
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