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誕生から81年で設備を一新、水力発電所が4000kWパワーアップ:電力供給サービス
全国各地で古い水力発電所の設備を更新する検討が進んでいる。九州電力は宮崎県で1938年から運転を続けている「塚原発電所」の設備を一新して、発電能力を4000kWも増強する計画を進める。2014年5月に着工して、2019年4月から新しい設備で発電を開始する予定だ。
塚原発電所の水力源である「塚原ダム」は、日本で初めて近代的な施工方法によって造られた歴史的な建造物で、国から「近代化産業遺産」に認定されている(図1)。このダムには変更を加えずに、ダムから水を取り込んだ後の発電設備や発電所の建屋などを一新する計画だ。
現在の塚原発電所では4基の大型発電機(1基あたり1万5650kW)のほかに、ダムから下流に放流する「維持流量」を生かした小水力発電設備(450kW)を運転している。このうち大型発電機を2倍以上の能力がある最新設備(3万3300kW)に更新して、2基に集約する。全体の発電能力は6万3050kWから6万7050kWへ、一気に4000kWも増える(図2)。
大規模な水力発電所(3万kW以上)の建設・更新にあたっては、国や地元の自治体との間で「環境影響評価」のプロセスを経る必要がある。九州電力は一連の手続きが10月7日に完了したことを受けて、2014年5月に塚原発電所の建設工事に着工することを決めた。
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