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「湯」と「電力」が欲しいホテル、2つの技術を組み合わせて燃料代を半減自然エネルギー(2/2 ページ)

木質バイオマスを利用して大規模な発電を進める企業は少なくない。だが、用途によっては温水などの熱を主に確保し、少量の電力が必要な場合もある。福島ミドリ安全はIHIのバイナリー発電機を採用することで、このようなニーズに応えるシステムを作り上げる。

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低温対応のバイナリー発電機を利用

 福島ミドリ安全が選択したバイナリー発電機は、IHIが2013年8月に発売を開始した「ヒートリカバリー HRシリーズ」(図2)。70度という低温の温水でも発電が可能であることが特徴だ。沸点の低い媒体(HFC-245fa)を内部で循環させ、タービンを回すことで、高温の蒸気が得られない温度であっても発電が可能。

 70〜95度の温水を利用して最大送電端出力20kWで発電できる。約2m×約1.4m×約1.6mと、この規模のバイナリー発電機としては小型であり、導入が容易であるという。温水の入出力用配管と、30度の冷却水の入出力用配管、電源系統を接続するだけで発電機として機能する。

 福島ミドリ安全は、ヒートリカバリー HRシリーズの最初の顧客である。IHIは2014年3月に装置を納入する予定だ。


図2 バイナリー発電機「ヒートリカバリー HRシリーズ」 出典:IHI

発電可能な焼却炉も実現

 IHIは2号機をキンセイ産業に向け、同時期に納入する。キンセイ産業は燃焼装置や熱エネルギープラントを開発・販売する企業。「発電機能を備えた次世代型焼却炉の商品開発のために導入する」(同社)。具体的には「投入量2トン/日〜30トン/日の乾留ガス化燃焼装置と組み合わせる。長くても1カ月で実証試験を終える予定だ」(同社)。

 2010年から国内で製品化が始まったバイナリー発電機。大規模な地熱発電とは異なり、温泉の源泉に手を入れなくとも発電に利用できる装置だとして注目を集めている(関連記事)。今後は燃焼炉との組み合わせの他、工場での利用などさまざまな用途が開けていくだろう。

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